終わって気がついた、
3時間の超大作だったことに。
長編作品なのに中弛みすることなく見られたのは良作の証のように思える。
ノーラン監督らしい時系列バラバラの構成は健在。カラーとモノクロが交差し、逆転する。常に見るものを思考させ続ける。これが飽きなかった理由かと。
一番惹きつけられたのは、中盤あたりの人類初めての核爆弾爆発の実験シーン。
点火直後、核分裂が炸裂して凄まじい火の手が上がるも、音はなく、オッペンハイマーの息遣いが聞こえる。数十秒たっただろうか。その後に続く激しい轟音と歓声。歓喜する実験関係者たち。
この後に展開される、広島・長崎への原爆投下の惨劇を思うと、自分は背筋が凍る思いがしたが。
観客との心情の対比を意図的に描いているんだろうと思う。秀逸だった。
プロメテウスにオッペンハイマーの姿を重ねて、冒頭と実験後のシーンに言葉が入っていたが、それも良かった。
その後のオッペンハイマーの名声と苦悩の日々にも考えさせられるものがあった。
とにかく、心を激しく揺さぶられ続ける作品だった。
見てよかった。
