アカデミー賞総ナメの期待作。音響が良いと評判だったので、ユナイテッド・シネマ、FLEXOUNDの音響体感シートで鑑賞。銃撃や空襲といった残酷な戦争シーンは一切出てこないものの、オッペンハイマーの複雑な心理状態や原爆開発施設の緊張感、トリニティ実験の火の玉や爆音はかなりリッチに仕上げていて見応えがあった。
ただし内容は難解で、ストーリーを読み解くのは簡単だが、あまりに登場人物が多く、人物同士の関係性や思想がわからないまま物語が進むため、映画を深読みする余裕がない。第二次世界大戦の歴史がわからなければ更に混乱するので、教養も試されるハイレベルな作品だった。
