がくさんの映画レビュー・感想・評価

がく

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プレデター:バッドランド(2025年製作の映画)

3.4

プレデターはここまで人間味あったのか。まるで田舎から都会に出てきたヤンキーのような尖り方をしつつも、義理と人情に厚く、それゆえにすぐ騙されてしまうキャラが愛らしくたまらない。
ストーリーは予定調和とい
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爆弾(2025年製作の映画)

4.0

次は1時間後に爆発します。

日本最大級のミステリランキングで2冠を達成した小説の映画化だけあり、内容は緻密に作り込まれており、期待以上のノンストップミステリーだった。
原作者は「羊たちの沈黙」「セブ
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劇場版 チェンソーマン レゼ篇(2025年製作の映画)

4.2

鉄の味がするバイオレンスジェットコースターロマンス

チェンソーマンはTVアニメ版を観賞していたが、今作の劇場版レゼ編は群を抜いて完成度が高かった。これが100分の映画ではなく、20分×5話のアニメで
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.2

金曜ロードショーにて
女子中高生が戦争映画の導入として観るには良い作品だと思う。石丸役の伊藤健太郎の演技等は目を見張るものがあるが、そもそも百合はなぜタイムスリップしたのか、なぜ部外者の百合が来て早々
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.7

人類の果ての世界観を、ストップモーションピクチャ技術を利用して丁寧に描いた作品。この手の作品は刺激が強く不快感を抱く内容が多いイメージだが、本作はコミカルかつ考えられたストーリー展開で物語が運ぶため、>>続きを読む

F1®/エフワン(2025年製作の映画)

4.1

自動車技術の最先端であり、高度なチーム戦略のもと、10チーム20名の選手がチャンピョンの座を目指して奮闘する世界最高峰のモータースポーツ「F1」。実際に見たことはないしルールも承知していないなか本作を>>続きを読む

国宝(2025年製作の映画)

3.8

江戸時代に庶民の大衆娯楽として発展した「歌舞伎」、令和の現代においてそれは難解な印象を与える日本文化であり、こと若者には馴染みがなく、形式や伝統の重さから、次第にハイカルチャー化した芸能である。
そん
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ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025年製作の映画)

3.7

新章につき主人公は前作品等とは違うが、今回は新種含む陸海空の恐竜達が高精度VFXで登場し、ジュラシックワールドらしい作品に仕上がっていた。
今回の物語の大枠は陸海空の恐竜達の血液を採取するというものだ
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来(2025年製作の映画)

3.8

映画館に着くと8スクリーン中6スクリーンで鬼滅の刃が公開されていた。
それだけメディアやオーディエンスに期待された本作は、無限列車編よりも40分長い155分。この時間、アクションシーンと回想シーンが1
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海がきこえる(1993年製作の映画)

3.6

想像した映画と違った。里伽子は美人だがプライドが高く、頑固かつ利己的な性格であり、なぜ杜崎が彼女に惹かれたのか全く共感できなかった。特段の理由もなく学校のマドンナに惹かれてしまう未熟な思春期男子の発露>>続きを読む

ドールハウス(2025年製作の映画)

3.8

予告PVはB級ホラー映画プンプンだが、このイメージを覆す緻密なJホラーだった。はじめは伏線を張りながらホラー要素を高めていき、観客が怖さに慣れてきたあたりでゴーストとのバトルや伏線回収を挟み、最後にち>>続きを読む

リロ&スティッチ(2025年製作の映画)

3.3

アニメを見たのは遥か遠い昔の記憶につき内容は一切覚えておらず鑑賞。スティッチはもともとこんな悪ガキだったのか…という最悪なファーストインプレッションから始まり、仕事と家事を全てワンオペでこなす姉ナニを>>続きを読む

人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.0

丁寧な暮らし

長らく気になっていたドキュメンタリー映画で、たまたま限定劇場公開の知らせを聞いて鑑賞。なぜVODで配信されないのか疑問だったが、内容を見て納得した。
自分が設計した木造建築の戸建に住み
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

3.8

レースシーンの圧倒的な画圧

ジャングルポケット、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ等に焦点を当てた劇場版ウマ娘。アニメシリーズではレースだけでなく、学園物語としてのヒューマン(ホース?)ドラマも描
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.6

長澤まさみの映画

私が大好きな邦画「コンフィデンスマンJP」しかり、長澤まさみの変幻自在で多面的な演技が光る映画だった。本作は5人の男に愛された彼女について語るミステリーコメディだが、真っ先に思い浮
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グランド・ジャーニー(2019年製作の映画)

3.8

超軽量飛行機を使って絶滅危惧種の渡り鳥(雁)に安全な飛行ルートを教えるという、実話に基づく作品

映画では実話に脚色をつけ、家族から離れ実験に夢中な気象学者の父親と、オンラインゲームに夢中で引きこもり
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.7

ラストが見どころ

幕末の会津藩士である高坂が長州藩士を襲撃した夜、落雷により現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまうというワンアイデアもの。

低予算の自主制作映画のため、まるで本当の時代
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.0

上映したての頃に友人に勧められ、以降VODの配信を待ちわびていた作品。結論、期待通り面白かった。
妖精と人間の共存をテーマにしつつ、善悪や秩序を巡る作品。ジブリの「もののけ姫」のような物語で、西尾維新
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On Your Mark(1995年製作の映画)

4.0

上映時間は6分48秒。CHAGE and ASKAの同名曲のMVを宮崎駿がアニメーション化した異例のジブリ作品。

MVであるにも関わらず、核汚染された未来都市を舞台にし、チャゲアスが囚われた少女を救
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ONE PIECE FAN LETTER(2024年製作の映画)

3.8

海賊側ではなく一般市民目線や海軍目線でワンピースの世界を描いたワンピースの25周年作品。
繊細なタッチで描いたキャラクターを躍動感溢れるカメラワークで魅せる本作は、一般市民や海軍の苦難と葛藤という細部
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白雪姫(2025年製作の映画)

3.2

あれ白雪姫てこういう話だっけ?と戸惑ったが、やはり原作と異なり、王子ではなくジョナサンという一般青年が白雪姫を助けに行くというストーリーにリライトされていた。これは古典的なおとぎ話から現代風に再解釈し>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

3.7

第97回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞受賞作品。

勝手にプリティウーマン×ララランド的な作品かと思ったら全然違った。移民コミュニティや性産業の偏見という社会問題を背景にしつ
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教皇選挙(2024年製作の映画)

3.4

題97回アカデミー賞の脚色賞受賞作品。

カトリック教会の最高位聖職者たる教皇を選ぶための儀式、コンクラーベ(教皇選挙)の内幕を描き、現代社会の政治的分断を揶揄する寓話的作品。

閉ざされたシスティー
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.1

圧巻の世界観

原作やオズの魔法使いを知らずに鑑賞。結論、世界観・演出・音楽・演技、すべからく傑出した作品だった。

第97回アカデミー賞である衣装デザイン賞と美術賞の2部門受賞も納得のクオリティで、
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.9

いまさら鑑賞。SFアクションコメディに多様性やLGBTQIA+のメッセージを組み合わせた新感覚幕の内弁当みたいな作品。
脚本や編集はアカデミー賞を獲るだけの完成度なのは納得だが、下品な下ネタや動物虐待
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.5

麻薬捜査班の刑事5人が国際犯罪組織を検挙するために、組織アジト前のチキン店を買い取り、チキン店を偽装営業しながら潜伏捜査するというワンアイデアもの。
しかし… ノリで試作したチキンが美味すぎて、店舗は
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ベルサイユのばら(2025年製作の映画)

3.8

忙しい人のためのベル薔薇

1970年代に少女漫画誌で連載された名作だが、その内容は全く知らずに鑑賞。結論、とても良かった。

この名作は漫画や宝塚などでは有名だが、過去にアニメ化されたのは1980年
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.7

レイ・クロックの野心がすごい。マクドナルド兄弟とイイ感じの契約を交わし、好き勝手に店舗を拡大し、侵略し、売上を奪い、ついに経営権までも買収するという悪代官ぶり。不動産事業×フランチャイズという秀逸なビ>>続きを読む

グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)

3.6

グランメゾン東京の尾花夏樹と早見倫子がパリでミシュラン三ツ星をとることを目指す。

飲食店でアルバイトしていたときにこのドラマを鑑賞し、感動を受けたのを今でも覚えている。素材を活かした彩り豊かな料理、
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12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

4.1

若きハリソン山中(地面師)がイケメンすぎる…

「もし日本にも陪審員制度があったら?」という架空の設定でストーリーが進んでいく。元ネタは1954年制作のアメリカ映画「十二人の怒れる男」だそう。

12
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

3.8

インサイドヘッドから2年後、13歳のライリーに新しい4つの感情、シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが追加される。
正直、前作よりすごく良かった。中学生になり、小学生の頃には感じかかった複雑な感情が
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.3

11歳の少女が持つ5つの感情、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの物語。まだまだ自分には妄想の世界があり、家族が大好きで、だけど嫌なことや不安はあって、という、リアルな子供心を客観的に面白お>>続きを読む

ライオン・キング:ムファサ(2024年製作の映画)

3.4

全て王道展開のライオンキング前日譚。
シンバの父、ムファサの幼少期から青年期までを描いた作品。温かく切ない、そんなライオン達の仲間愛と家族愛を描いており、個人的にはムファサと比べ能力も度胸も劣るタカが
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僕が宇宙に行った理由(2023年製作の映画)

3.7

一般人が宇宙旅行に旅立つまでの苦難に密着した希少映像の連続。ドキュンタリーなので映画のような起承転結はないが、前澤さんが宇宙旅行を決断した理由、宇宙でやりたかったこと、宇宙に行って変わった心境を1コマ>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.6

大迫力の戦争傍観映画。なぜ内戦が起きているのか、なにを目的に戦っているのか、どちらが正義なのかは全くわからない。目の前で起きている大戦争を戦場カメラマンの視点で観るロードムービーであり、若き戦争カメラ>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

3.7

一足先に試写会にて

事前知識なしに鑑賞したが、ストーリーが進むにつれ吸い込まれる良いサスペンス映画だった。俳優陣の質が高く、役もハマっており、人が持つ弱さや、人が持つ温かみ、組織やマスコミに縛られな
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