JTKの映画メモ

ジギー・スターダスト 2002年サウンドリミックス・デジタルレストア版のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

5.0
【過去鑑賞】

自分が劇場で観たのは30年くらい前のリマスターしてないヤツなんで確かに音はショボかったが、そんなことはボウイの初期の名曲の数々に圧倒的されて気にならんかったな。

ボウイが三島由紀夫のファンだったことはよく知られてることだが、シンパシー感じるだけあって共通項はいくつかある。
ゲイ的な芸風(三島の場合は作風とでも言うのかね)で注目されたこととか。
三島について「死へのエロティックな憧憬(願望)があった」とか外国の評論家が書いとったけども、Let’s Dance以前のボウイも、まだスーパースターというよりカルトスターでね。三島同様にボウイにも"死"の影のようなものを感じていた。

真の変態三島はホントに死の演出をしてまったけど、真人間のボウイはジギーやらアラディンセインやらシンホワイトデュークやら、色んなペルソナを取っ替え引っ替え、ステージ上やアルバムで死と再生を繰り返し、最期は普通の人間みたいにガンで死んでまった。

この映画で、三島にシンパシーを感じてたボウイをまざまざと見せられるのは、ジャック・ブレルのカバー「My Death」。
その頃はまだ正規リリースされてなくて、それで初めて聴いて何とも筆舌に尽くし難い感銘を受けたものだ。