ドキュメンタリー調でシンプル。
主演が本人ということ以外特に期待していなかったが、とても良かった。
俳優にしか見えない精悍な顔つきに自然な演技が素晴らしい。
演技というか、鑑賞後に知ったのだが、とら男とかや子の会話部分は台本がなかったそうで、とら男の演技は「本物」である。
それを引き出した加藤才紀子の技量が相当高いのだ。
事件がこれ以上どうなるはずもないことは観る前からわかりきっていることだけれど、かや子目線で共に再捜査しているようでおもしろかった。
時効が成立してしまった殺人事件を取り上げ、ものすごく踏み込んだ描写をしているパンチのある作品。
そこまで描いて良いのだろうかとかなり驚愕した。
犯人やその家族が観たらどう感じるのだろうか。
自分は縦割り組織の限界を感じて悔しかったが、現在殺人事件の時効が撤廃されていることはせめてもの救いではないかと思う。
2022年に観た嘔吐シーンのある映画20本目。
