ゲルさんの映画レビュー・感想・評価

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熱のあとに(2023年製作の映画)

2.9

精神世界を深掘りするような台詞を理解するのがなかなか難しかった。
文学的な台詞は舞台作品のよう。
後半の自宅のシーン以降はすべてが謎で、一体何を観ているのかわからなくなってしまった。
越川道夫監督の『
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フィリピンパブ嬢の社会学(2023年製作の映画)

3.6

白羽監督、原作者の中島氏の舞台挨拶付き上映にて鑑賞。
原作未読。
監督もおっしゃるように、ラブストーリーだった。
翔太側から見たら純愛だが、ミカ側から見たらどうなのだろう。
幸せ(?)のスタートライン
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.8

繊細な娘と更に繊細な父親の物語。
15歳になったエストレリャがとても大人っぽくて、父親の精神年齢を既に超越しているように見えた。
父親は大人になることを拒否しているように思えた。
仄暗い空の青さや城壁
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

男性が年上の年齢差カップルで、いつまでも成長しない男性を女性が精神年齢で追い越してしまい、あっけなく離婚するというよくある話。
女子中高生向けの少女漫画のような前半のシンデレラストーリーを見て、キャー
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.7

都会的な空気感、一貫してシリアス。
静かだけれど会話量は多い。
滑らかに流れて行く会話を聞いていたらなんだか眠くなってしまった。

パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜(2023年製作の映画)

3.6

悪くはない。
詰め込みすぎなだけである。
2時間弱で表現出来る話ではない。
これは連ドラでやるべき内容だ。
あれもこれもエピソードがありすぎるので、ひとつひとつに時間を割くことができず、薄味になってし
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

雪の山荘で転落死……ついつい『かまいたちの夜』を連想してしまうけれど、全然違った。
かなり多くの時間を裁判シーンに割いている法廷ものであった。
日本では好みが分かれそう。
法廷ではほとんどシチュエーシ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.6

どんな発明でも、活かすも殺すもそれは人間次第である。
良い作品ではあるけれど、さすがに長すぎて集中力が続かない。
会話量がとにかく多く、音楽で雰囲気を説明している。
原爆実験のシーン以外はほとんど会話
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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)

3.4

リム・カーワイ監督の舞台挨拶付き上映にて鑑賞。
お茶目な感じの人だった。
ストーリーが断片的で、ドキュメンタリーのようでもある不思議で無国籍な作品。
ゆらぎが大きく、自分で考えなければならない部分が多
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.7

舞台挨拶付き上映にて鑑賞。
井上淳一監督の自叙伝らしい。
前作とは監督が異なる。
前作はパワーを感じられる作品だったが、今作は映画愛や優しさが勝っていた。
所々笑えるシーンもあり、楽しく観られる。
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.8

ショートカットのカティ・オウティネンが素敵。
2人の男たちの不器用さがなんとも可愛らしい作品。
何事もなかったかのように日常へと戻るラストシーンも良かった。

i ai(2022年製作の映画)

3.5

メッセージ性の強い作品。
赤が鮮烈な印象を残す。
生と死、夢と現実の狭間を浮遊するようなとらえどころのない物語。
自分は氏のファンではないので刺さらなかったけれど、マヒトゥ・ザ・ピーポーファンは必見。
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.8

淡々とシュールなザ・北欧映画。
アキ・カウリスマキ監督の作品の中ではドラマチックなストーリー。
説明的なところがほとんどなく、そこにあるのは事実のみ。
自らが招いた運命に翻弄されるアンリを応援したくな
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.3

犬とケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
まさに自分のためにあるような作品。
犬好きには本当におすすめ。
安心してください、犬がひどい目に遭うようなシーンはありませんよ。
今、そのような映画は作れない…
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.8

体力のあるときに観た方が良いかもしれない。
ものすごく静かな夜の作品で、眠りの国からのお誘いが……。
日常的な設定ではあるが、芸術性が高い。
人物が映っていないカットは絵画のように美しい。
仕事後に最
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奇跡(1954年製作の映画)

3.5

科学的にはあり得ない話。
宗教色が強いので、聖書を理解していないと「いやいやいや……」で終わってしまう可能性も。
緩急が少ないので、眠気との闘いに負けてしまった。
どのシーンも絵のような画力の強さがあ
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

評価がそれほど高くないのが不思議。
未解決事件ものや『悪なき殺人』が好きなら楽しめると思う。
淡々としたミステリーであり、日本のようなドラマ性の高い刑事ものを期待するのは違うかも。
テーマがテーマなの
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吸血鬼(1932年製作の映画)

3.6

以前フィルムで観たことがあったが、記憶からすっかり抜け落ちていて、図らずも二度目の鑑賞となった。
吸血鬼感は少なめ。
コナミの悪魔城ドラキュラシリーズのようなゴシック感ホラーを求めて観るのはちょっと違
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.2

映画を観て久し振りに衝撃を受けた。
すべてが完璧な約100年前の作品。
画面に映る人々の表情での演技力が全員素晴らしく、画力が強い。
日本語訳が素晴らしくて無駄が一切ない。
絶え間なく流れる音楽によっ
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パレード(2024年製作の映画)

3.7

藤井道人監督の舞台挨拶付き特別上映会にて鑑賞。
化女沼レジャーランドを知っている人はぜひ観てほしい。

良くも悪くも、野田洋次郎氏の音楽の世界観に支配された作品。
ストーリーの根底がファンタジーなので
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.0

ピーターラビットは自分のバイブルでもあるけれど、『コットンテール』というタイトルがピーターラビット関連であることには作品を観るまで気付かなかった。
ピーターラビットを読んでいなくても問題ない内容。
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.5

台詞と間(ま)と静寂で構成されている。
映画好きのための映画なのだけれど、クライマックスまでがとにかく長々しく感じて、3回くらい意識が飛んでしまった。
もう少し緩急があれば……。
自分には刺さらなかっ
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

3.8

1991年の作品。
多くの場面で音楽が流れている。
80年代後半~90年代くらいの音楽が大好きな自分には夢のような時間だった。
ケニー・ロギンスが聞こえてきて心躍った。
異常にテンションの高い前半、そ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

医療のアイディアはブラックジャック的である。
それだけに留まらない、女性の解放を描いた壮大なストーリー。
幼児というか、人間になりたての生き物状態からすっかり大人となるまでのベラを、エマ・ストーンが全
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.7

自分はリアルタイムで観ていたわけではないので、めちゃくちゃ思い入れが深いわけではないけれど、20年経ってもほぼ同じ声優がキャスティングされていることは素直にすごいと思う。
カガリの声はあまり違和感がな
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白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

3.6

難民が大きなテーマで、かなり黒い話。
バクヤッの息子ホンへの共感しかなかった。
披露宴の4日前にやっと報告があった事実から、父と子の仲は察することができた。
ずっともやもやしていたことを、終盤にタクシ
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罪と罰(1983年製作の映画)

3.5

シリアスに振り切っていて、アキ・カウリスマキ監督の他の作品とは少し異なる感じがした。
音楽もあるけれど、基本的に静か。
ちょっとうとうとしてしまった。
まっすぐ見つめるエヴァの瞳に吸い込まれそうだった
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

4.2

優しくて可愛らしくて等身大で、かつ繊細な作品。
生きづらさを抱えた不器用なタイプの人はかなり共感できるのでは?
何気ない日常の物語だけれど、丁寧に作られている。
ほわ〜っとした空気感が心地良く、まだま
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.6

ネオンが消え、イメージの中の香港が今では様変わりしていると知った。
便利で合理的な世の中にはなったけれど、アナログや手仕事の良さなど、残したいものまで次々と姿を消していく。
世界中どこへ行っても似たよ
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

3.5

大人の青春の日々を温かく見守る、味わい深い作品。
あまり緩急はないので、時間以上に長く感じた。
1992年の作品だが、もっとずっと昔のように思える。
というか、モノクロ効果で時代をあまり感じさせず、ど
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.8

大掛かりな機材がなくても映画が撮れる時代になったことのメリットが最大限に活かされている作品だと思う。
脱北ルートの距離の長さと過酷さに絶句。
ただ北朝鮮から脱出すれば脱北成功ではないのである。
幼い子
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

とても、優しい作品。
主人公コットのように、静かであまり多くを語らない。
預けられた先で過ごした楽しい夏休み♪的なノリではない。
シンプルではあるけれど、背景には大人の世界や家族のいろいろが見え隠れす
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罪と悪(2024年製作の映画)

3.9

舞台挨拶付き上映にて鑑賞。

地方の閉塞感や人間関係の狭さが物語の世界観とうまく合っていた。
地方(福井)での撮影が良い効果になっていたと思う。
ダークな雰囲気やテーマ等、藤井道人監督の『デイアンドナ
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.5

氣志團の前身?
悪魔みたいな靴も謎すぎる。
演奏は思ったよりまともで、ハーモニーもきれい。
アキ・カウリスマキ監督の作品の中では変わり種だと思うけれど、シュールな笑いは健在。

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

3.6

祖父のムサと孫娘のハリメが遺体と一緒に旅をする。
遺骨と旅する話はたまにあるようだが、遺体との旅はあまりなさそう。
冬の乾いた土地で良かった。
あらすじにあるようなおとぎ話感はほとんどなく、静かでシン
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.7

主人公こそ子供であるものの、大人向け。
大人同士の会話がリアルだった。
フランス映画のような気だるさが全編を通して漂い、ストーリーやシーンのつなぎにもゆらぎが感じられる。
アイトール=ココ=ルシアの性
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