daiyuuki

ラッキーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ラッキー(2020年製作の映画)
4.0
女性向け自己啓発本作家として活躍するメイ(ブレア・グラント)。ある夜、謎の覆面男が自宅に侵入し、彼女と夫のテッドに襲いかかる。
撃退に成功するも、 男の正体についてテッドは「毎晩やって来て僕たちを殺そうとする男だ」と不気味に呟く。その意味を感情的になって問い詰めるメイに対し、テッドは逆上。
ついには家を出てしまった。
残されたメイは、それから連日連夜、覆面男の襲撃に遭うことに。反撃で致命傷を負わせても、翌日には何事もなかったかのように現れる。
誰にも頼ることができず、結局メイは今日も1人、男に立ち向かう……。
恐怖はなぜ繰り返されるのか? なぜメイが狙われるのか? 男の正体と犯行の目的は? 解決手段は? 衝撃のラストがすべての真相を物語る。
監督のナターシャ・ケルマニは、過去に短編作品でNYC Web Series Festivalの最優秀監督賞を受賞した経歴もあるほどの実力派。
自身が女性であることから、女性ならではの視点で描かれた作品に定評がある。本作も女性が主人公となっており、まさに真骨頂と呼べる1本に仕上がっている。
自己啓発本の作家メイが、毎日毎夜に仮面をつけた男に襲われて撃退する日々を繰り返していく恐怖を描いているが、タイムループなのか夢の中の出来事か現実か、最後まで判然としないので余計に不気味。
ストーリーが進む中で、仮面の男に襲われるのがメイだけでなく様々な女性が被害を受けたり、夫テッドと夫婦仲が冷えていることから、仮面の男の正体や動機はなんとなく読めるが、ラストに仮面の男の素顔が分かった時、この映画のテーマが「女性への日常的に受けている暴力」だけでなく「意図しない加害的な発言や行動」を知らず知らずのうちに相手に与え自分も攻撃を受けている日常的な恐怖であることが分かり、余計に怖くなる不条理スラッシャーホラー映画。

ナマニクさんの考察
https://namaniku.net/2021/03/21/lucky/
daiyuuki

daiyuuki