主演ピーター・ディンクレイジの評価爆上がりミュージカル。
同名の「シラノ・ド・ベルジュラック」という戯曲を元にした舞台が原作。容姿に自信がないが文才と剣術の才に恵まれた騎士シラノの恋愛を描く。ちなみにシラノ、実在した人物らしい。
原作での容姿の欠点は「目立った醜い鼻」程度らしく、小人症の俳優ディンクレイジを起用するのはなかなかにチャレンジング。しかしこれが大成功。ディンクレイジはいつもの皮肉屋から凄腕の兵士、悲恋の主人公にして稀代の歌い手という、4つもの側面を見事に演じきった。
17世紀フランスのロケーションもとても良く見ごたえがある。細部にまで舞台装置のこだわりを感じた。特に序盤の劇場とラストシーンの教会、とても趣がある。
ヨーダじゃないんだから130cm強の身長で剣術の達人という設定は無理があるだろうとか、終わり方が少し唐突だったかな等思うところもあるが、上品な悲恋を描いた名作であった。