本年度アカデミー賞でもオスカー獲得が期待されている本作。アイスランドの島を舞台に、親友同士だった男たちの関係に亀裂が入り、やがて大きな騒動に発展していく物語。昨日まで仲が良かった人から、ある日突然に絶縁を言い渡されたら…。島のような小さなコミュニティの中に住んでいたら、人との付き合い方を間違えたら孤立したりしてしまいそう…。僕がパードリックの立場なら「わかったよ。さよなら」って言って、新しい親友探しを始めると思います(笑)
ネタバレはしないようにレビューします。
パードリックが困惑してしまう気持ちはもちろん分かる。コルムがパードリックを突き放す理由は「そんなことで？」と一瞬思ってしまいましたが、歳を重ねていくと残された時間を自分の好きなように過ごしたいと思う気持ちも分からなくもない。短気になったり、とんでもない行動をしてしまうコルムは、きっと長年溜め込んでいたイライラが爆発してしまったのかもしれない。価値観なんて人それぞれ。親友だからといっても全てを共感し合えたりなんて出来ない。２人の内心全ては描かれていないので、行動であったり動機に関して観客に委ねてる部分もありました。
アイルランド内戦時代の物語。対岸では戦争が起きている。内戦も、友達との喧嘩も、大きい小さいもなく、人はちょっとしたキッカケで、そしてちょっとしたスイッチが入ると争いを始めてしまう。終わりのない対立。戦争の醜さとは何かを考えさせられる作品でもありました。
