mat9215

イニシェリン島の精霊のmat9215のレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
2.5
リアルなドラマのようでいてダークなファンタジー。『精霊』という邦題は妖精に通じて当たらずも遠からず。妖精(バンシー)は死を告げる老婆だし、依怙地な男は指を切り落とした手から血を流しながら酒場で演奏を指揮する。物語は依怙地な人物と頭の弱い男のコンビを中心に進み、火災が彩りを添える。マーティン・マクドナーの前作『スリー・ビルボード』と同じだ。俳優ではブレンダン・グリーソンとコリン・ファレルのコンビを差し置いて、島の阿呆を演じるバリー・コーガンの印象が強烈。この人は上手い。映画としては、とくに前半のカット割りに違和感があるのと、決めのショットに欠けるのが残念。
mat9215

mat9215