トモヤムクン

イニシェリン島の精霊のトモヤムクンのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.6
心がザワザワする…
静寂な世界観の中で沸々と沸き起こる憎悪。

『スリー・ビルボード』の
マーティン・マクドナー監督の最新作。
複雑過ぎる人間関係を描くのが上手過ぎますよ。

マーティン・マクドナ監督の作品は静寂が多く、
鑑賞するのにかなり根気がいります。
大きな展開があまりないので眠気が襲ってきます…
しかしアドバイスとは言いませんが鑑賞する上で
どう楽しめば良いのか僕なりに解説します!
※あくまで個人の見解と思ってください…

本作のどの言った部分に注目するか?
それは序盤の初っ端なから告げられる、
コルムの『急な絶縁宣言』が巡り巡って、
最後にどう着地するのか?です。

起承転結で言うと
中間の『承』と『転』で何が起こるのか?

簡単に仲直りするような生半可な展開はありえません!
巡り巡る先の見えない、予想できない展開運びこそ、
マーティン・マクドナ監督の作品の醍醐味です!!

また上記の事に重なりますが、
変人を綺麗に表現するのが上手いです。
※褒めてます。

ネタバレになるので直接的な内容は避けますが、
『承』と『転』では
かなり理解不能レベルの事が起こるのですが、
それを純度100%で描かれている為に、

パードリックからコルムへ。
コルムからパードリックへ。

とストーリーが進むにつれて感情移入の矛先が
二転三転していくのも本作の強みです。

【まとめ】
序盤の『絶縁宣言』からゆっくりと
パードリックとコルムのゼットアップが始まるので
正直かなり眠くなりました。

しかしストーリーが進むにつれて、
お互いに優しい2人だからこそ、
2人の間の亀裂が破片に変わっていき
修復不可能までに変化していく
先の読めない展開運びに引き込まれていく作品でした。
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