スマトラトラ

イニシェリン島の精霊のスマトラトラのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
私、これ、好き。 梶井基次郎の檸檬みたいな映画だなぁって思った。。。。伝わりにくいのは分かってる(笑) こう、「不思議でしっかり理解しきれているとは言えないんだけれども、何故かふと頭に浮かぶ瞬間があり、1年から数年の中の一時、無性に檸檬が読みたくなる」っていう感じ。の、映画版! 「構造自体は簡単なのに、構成が理解しきれていないけども、頭に残って、いつかまた見たくなるだろう。」って予感がする。

映像に物凄く惹きつけられる感あったかなぁ。空・海・草原に崖、湖。そしてそこに佇む小さな人。っていう、スケールの大きさがわかる映像なのに、感じるのはひたすら閉塞感。なんで?

あらすじで言ったら、ほんとに簡単よ?
男2人友人(親友?)の片方がある日突然「お前の話は退屈で、自分の時間をその退屈な時間に費やすのがもったいないから、友達辞めるわ」
主人公「何で⁉」そして何とか仲直り的なことをしようとするけども、
友人「もう話しかけてくるな!次話しかけてきたら俺の指切っておまえに送り付けてやるからな!」
主人公「は!?」
っていう話。

音楽もオペラ以外は基本同じ曲で、普通単調で冗長的になるだろうなぁって映画に思えるけど、何でか、一切飽きず、展開も読めず、大自然の映像で閉塞感を感じ、食い入るように観てたら、いつの間にか映画終わってるの。
amazing!って感じですわ。意味が分からん。じわじわくる。好き。