つん

イニシェリン島の精霊のつんのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.7
この歳になると、友人に突然縁を切られたこともあるし、逆も何度か経験している。
ずっと友達でいるんだろうなと思ってた人にそうされるのは悲しみでもあるけれど、自分自身も割と終わり、と思ったら終わってしまう性格なので納得できる部分はある。
何か一つがキッカケになることもあれば、次にこう思ったら終わり、と、自分の中で決めている場合もある。

ただ、この映画のこの環境では、話はちょっと違ってくる。

(ややネタバレあり↓)




この狭いコミュニティの中で仲間をなくすことは、家族や日常、今までの習慣を失うに等しい。そこしかないんだから。
それも、引っ越しや死別でなく、ケンカですらなく、突然の宣告。

ある日突然、何もかもが嫌になることがあるけど、そういう感じだったのだろうか?
逆に言えば、彼の人生には「彼」が大きく影響していて、ほぼ「彼」による毎日だったと気付いたのかも知れない。

その仕打ちに対する反応も、最初は真っ当なんだけど、だんだん過激になっていき、さらに応酬もちょっと常識を逸している。


島の人たちがみんな(妹以外)知性なく描かれているし、何故か悪意だけは剥き出しで住みたくないなぁと思わせる。
日本の田舎も一緒だけど。

とにかく、誰のことも好きになれない中、ただただ、ロバがかわいい!!!!
わんこも可愛い!

動物たちだけが素晴らしい✨

人間の争いに巻き込まれて、たしかに家を焼いたくらいじゃトントンにはできない案件。

そういう意味で悲しい映画だった。
バリー・コーガンが元気そうで良かった。彼には危うさがあるけど、俳優続けてほしい。
つん

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