やなあき

イニシェリン島の精霊のやなあきのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
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賞レース発表の直前に鑑賞したけれど、観終わったあとの感想としては、「これは作品賞は難しいだろうな」だった。笑 でも、個人的には(マーティンマクドナーが好きな一人として)めちゃくちゃ好きな映画作品だった。とくに好きだったポイントのメモ。

①他者は他者のままであるが、他者性が明確になった今のほうが理解が進みやすいということ。
②明解さは全くないのにも関わらず、ずっと観ていられること。
③かすかな希望が見えてこなくもないこともない?、こと。

・ マーティンマクドナーは、住んだこともない土地の話を映画にする監督で有名だけど、前回もミズーリ州エビング(架空の街)、今回はアイルランドイニシェリン島(架空の島)を舞台に。どうやったらこんなにうまいことその土地の空気とその土地の人々を描けるんだろう・・天才。
・コリン・ファレルのどうしようもないアホさと情けなさ◎バリーコーガンの落ち着きのなさいたいたしいピュアさ◎愛おしさがあるけど映画のなかの世界だけでオッケー。現実世界では無理だわ愛せない。
・ブレンダン(コルム)のセリフの重みや佇まいめちゃくちゃ良かったーーー!!話しかけたら自分のxxを〇〇する、っていうのがよい。ガンジーの非暴力不服従の考え方。

スリー・ビルボードから一貫している要素
・人は変われるのか?→その答えは出さない。
・田舎の閉塞感
・警察のどうしようもなさ(マーティンマクドナーなんか警察と嫌なことあったん?)
・社会問題と個人の問題をリンクさせる
・絶対的善人、絶対的悪人を書かない。どいつもムカつくしどいつもかわいいとこある
・この人たちはこのあとどうしているのだろう?と考えさせられる余韻
※その中でイニシェリンで少し違っていたのは、少しのフェアリーテイル要素を織り交ぜている点
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