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イニシェリン島の精霊のtravisのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.5
傑作『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督の最新作を観てきた。
前作は、とても観る人を選ぶ作品で、人の心の闇、悲哀、希望など、説明がなくても伝わってくる感情を汲み取れる人なら、きっと最新作も驚く筈。
説明しようと思えば可能だとは思うが、人の感情なんてものは理屈が追い付かないことばかりだと思う。
主人公、友人、妹、それぞれの心の動きを通じて観る側は考えてしまう。
全ての人に共感しうるところがあるし、もう少し冷静になれと思ったりもする。
1923年のアイルランド紛争が舞台というのも実に効果的である。
この監督の凄いところは、予定調和で進まないのもあり、ラストまでとてつもない緊張感で包まれる。
この世界観に是非触れていただきたい。
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