2023年立川譲監督作品2部作?の1部目である。
TOHOアニメ配給だったので上映時間短いかなと思ったら120分だった。
ならば東宝配給でもよかった気がするんだけれどもなぁ。しかし120分という時間を全く感じさせない作品だった。
漫画で表現することが難しいとされる音楽そして漫画作品で取り上げている音楽としても異色のジャズを描いた作品である。
そういった意味ではアニメーション作品になるべくしてなったといえるところは強いのだろうとは思えてくるところ。
ゆえにこの作品は音の力を最大限引き出した作品となっていると思う。
それこそCGモデリングはもっとブラッシュアップされてもよかったとは思うけれども、後半はそんなことなんてどうでもよくなるほど音と音楽の力に作中に引き込まれていく。
後半になればなるほどにそれまで描かれたJASSの3人のそれまでと音楽が融合し合い
劇中の観客たちのように自分の心に直接音が重なり合って感情がこねくり回される。
自分でも驚いたけれどもセリフなんて一切表現されていないのに音と演奏だけで表現されたライブシーンに涙が出てきた。
自分もジャズライブハウスの観客としてその演奏に立ち会っているかのように感じられるのだ。
描かれた観客たちと同じように自分も小さくリズムを取ったり目頭熱くしながらその会場の中に居たんだ。
今の自分自身を本当にすべてぶつけられたかのように感情がドバっと流れ込んできた…といいつつも
自分、俊二が最初のライブから見に来てくれているおじーちゃんに言葉をかけられた時点で
そんなこと言われたら泣くわと思いつつ自分も涙腺崩壊していたわけだが。
ジャズを知らなくてもこの音の力、音楽の力は見る者を圧倒するそれくらい力強かった。