飼い主

BLUE GIANTの飼い主のネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

※ほとんどネガティブで死ぬほど長い


最後のライブシーンがどうしても受け入れられなくて我を失っていたけど、雪祈がボロボロの体引きずってライブ出るってのが原作にないことを知ってちょっと落ち着いた

映画のための改変における雪祈の扱い、自分でもなんでかわかんないほどめちゃくちゃ傷ついてしまって、二度と観たくない気持ちと、何度も繰り返し観て3人の日々を追いかけたい気持ちと、心が2つある〜・・・泣


楽しみだったので事前情報をほぼ一切入れずにいたんだけど、それが裏目に出て余計びっくりしちゃったんだよね
音にぶん殴られに観に行ったのに、まさかピアニストがトラックに撥ね飛ばされると思わないじゃん

あとは私が、キャラクターの中でそれがどれだけ大きな割合を占めているかとか、そういうことにナイーブすぎるんだろうな
そもそもキャラクターを自分と同じ一個の人間として考えるからこんなに打ちのめされるのか?


ただほんとに、私はずっとジャズをアニメで見たかったからその点においては求めていたものを見せてもらって心震えた
ジャズにも種類があるかもだけど、熱くて、魂のぶつかり合いで、言葉に近い音楽みたいなのを見たかったので

楽曲は複雑で流れた月日や関係性を感じるし、上に行くんだという熱意と迫力に溢れていて、どれも3人のための曲という感じがする FIRST NOTEは顔まで鳥肌立ったかと思った 超かっこよかったす

は〜それにしても玉田は世界一かっこいいな・・ドラムソロ涙滲んだもん・・最初はスティックわし摑みにしてたのに・・いつの間にかジャズの握り方して(サントラのカバー)・・・


映画とは全然関係ないんだけど、何年か前に羽生結弦が練習中に他の選手と接触して怪我したとき、フラッフラのまま無理やり演技して、当然いつものパフォーマンスはできなかったけど会場は割れんばかりの拍手喝采、次の順番の選手がその一連の流れのプレッシャーに潰されて演技ボロボロになっちゃってて、それがあまりに痛々しくて何年も経つのにあの日のことが忘れられない ああいう、無茶に対する熱狂ってなんなんだろうね


やっぱり考えれば考えるほど、人生かけてピアノやってきた雪祈が、無理やり演奏することで感動を生むための装置にされた気がして受け入れ難い 気にしすぎなんだろうか


いやしかし、トラックに正面から吹っ飛ばされて右手はグチャグチャだけど左手と両足は無傷で肋骨も内臓も無事でベースライン追えてペダルも踏めて8分近い曲を全身使って力いっぱい演奏しきることは可能です!て じゃあ右手も無事にしとけ 片手演奏が大との出会いの日とリンクするのも個人的にめちゃくちゃ嫌 そんなん見せられても泣けないよ もう私映画見るの向いてない気がして凹む ギーー!!

「伝説のライブ」は観客(作中の、そして映画を観ている我々)の求めるものとしてより美しい形になったかもしれないけど、大が世界での活動へ踏み出す日、また弾けるようになるかもわからないままアパートのピアノの前に座って1人泣いてる19歳の雪祈の人生はこれからもずっと続いていくんだよ 同じ舞台に立ってしまったばかりに、そのコントラストがより一層強くなってあまりにグロテスクでは

作曲の道ももちろんあるけど、でも雪祈って根っからのピアノマンじゃんか 舞台の上でライトを浴びる人でしょ そのために絶え間なく努力してきた そうだったでしょ
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