ヒロ

乱れ雲のヒロのレビュー・感想・評価

乱れ雲(1967年製作の映画)
3.5
今村昌平の『赤い殺意』、リリアーナ・カヴァーニの『愛の嵐』、キム・ギドクの『悪い男』などなど事故なり戦争なり加害者と被害者が禁断の恋に落ちるというプロットは大概が重苦しくて暗いバットエンドに収束していくから好物なのだが、今作は不可抗力とはいえ人を一人殺めたくせに能天気な加山雄三の態度がすべてをぶち壊してる。武満徹の音楽はいうまでもなく、喫茶店で有線から流れてくる藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」の選曲センスも、相合傘濡れてる方が惚れているのCMの元ネタも、ラストシークエンスも、すべてを無に帰す独立国家戦艦光進丸国家元首加山雄三の暴挙が引っ掛かる勿体無い一本。サンドリでもっと叩かれろ。
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