トム

ラーゲリより愛を込めてのトムのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.5
●あらすじ
終戦直後、満州ハルビンにいた山本はソ連により捕まり、収容所(ラーゲリ)へ収監される。

愛する妻の元へダモリ(帰国)することを胸に、過酷な労働に耐えていた。

●感想
キャストの違和感とリアリティの無さ...。

評価が高いので期待しすぎた。

日本映画の悪い所がでてた。
勿体無い所が多かったなー。
日本映画はいい加減に作品至上主義にすべきだ...。ここら辺、是枝監督見習って欲しい。

韓国映画の質が上がってるからこそ、邦画にも負けて欲しくないので、色々言わせてもらいたい。

まずあまり没入できなかった。

前提として、収監されていることがメインとして描写される戦争映画は、収監されている状況において、その状況の悲惨さをどれだけ伝えるかにあると思っている。

本作では、同じ捕虜たちの射殺や死体処理のシーンで状況は過酷であることは伝わってくるが、「そこまでに至った過程」が見えない。

その過程こそが収監されている上での苦しみであるからこそ表現して欲しかった。

例えば、栄養不足で脚気が起こる、手が震えていうことが効かない、常に空腹で力がでず倒れてしまう、精神異常をきたすなど...過程が欲しかった。

だってまず、−20度だからね?
慣れてない日本人はよりキツいし、
食料食べれてないなら尚更だと思う...。
それを感じなかったのが本当に残念。
勿体無い。

各国の戦争映画を多々みてきた上で、相対的に悲惨さを感じれなかった...。

体格も原因の一つ。
収監されているのにそこまで痩せ細っていないし、健康的に見えてしまった...。

キャストも日本映画の悪い所が垣間見えていた。プロダクションの忖度が色濃く見えてしまう。

例えば、北川景子。時代背景からして食料がないはずだが、めちゃくちゃ健康的な顔であるし、現代風のナチュラルメイクな気がしてしょうがない...。せめて、芋っぽくするか、幸薄そうなメイクが良かった...。

二宮和也の演技は硫黄島の戦いから、好きなんだけど、中島健斗でてきて、ジャニーズの押し売り感出てきたなと感じた。
ジャニーズアンチでは一切ないんだけど、プロダクションの影響が見えてくるのが冷めるのよねー、、、あくまで作品を活かすために、最適役でいてほしい。
中島健斗、川で半裸になってたけど健康体だった。それなら、細身の役者さん使って欲しかった。

他にも南京虫もCG丸出しだったり、戦場も冒頭のソ連の進行による山本と妻の分断もチープで、現実味が感じられず没入できなかった...。

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ちょっと酷評しすぎたけど、話としては嫌いじゃないです。

二宮演じる山本は仁義ある人で、だからこそ一人一人の心を掴んでいくのは見ていて良かった。

後はこういった人が実際にいたという学びとしてはプラスになった。

演技としては、桐谷健太、松坂桃李、二宮和也らへんは好き。

あとやっぱりワンちゃんのくだりは、ほっこりした。終盤のクロのあれはフィクション感めっちゃでてて冷めちゃったんだけど、ノンフィクションだったらしい驚いた💦
トム

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