ルマンド

ラーゲリより愛を込めてのルマンドのネタバレレビュー・内容・結末

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

頭の中で考えたことは誰にも奪えない
希望が必要 生きるためには どんなに小さくても
あなたのおかげです
あなたに会いたい、それだけで私はもう何もいらない
生きてるだけじゃだめなんだ だた生きているだけじゃ
俺は卑怯者をやめる
どうせ生きていても意味はねえ 付き合ってやるよ
ここで闘いをやめてもお前を卑怯者とは誰も呼ばねえよ
それでも生きろっておれにそういったじゃねえか
ここで諦めたら俺が許さねえからな山本
それでも生きろ



若い人がみんな観てくれたであろう本作品、戦略的にとても素晴らしい。人気俳優を据え、人気アーティストがサントラを担当。戦争の記憶って絶やしてはいけないと思うけれど、こういう手法で繋げていくというやり方に賛同。時代に合わせるって大切。それでもって若い人たちが大切な人に普通に会えることの幸せを改めてというか、初めて感じられたらそれは素敵だと思う。今の時代には当たり前のことが、この時代には当たり前でなかったんだと。もしかしたら自分の悩みがちっぽけで、この時代の人たちに比べたら…と明日を強く生きれるきっかけになるかもしれないなあ、なんて思ってくれたらすごいことなんでは?

正直、戦争映画はなかなかいいメンタルのときでないと気持ちが向かなくて。本日土曜日。昨夜から戦争映画を連続で鑑賞し、少々辛い。しかし、平日の仕事の合間には重たい作品は回避してしまうので、これで良い。歴史の一部分に触れることができるし、明日の自分や社会に還元できるかもしれない、と思うとこの作品たちの立ち位置の重要性に気づく。

道義、誠であり、真心である
人の世話にはならず
人に対する世話は進んでせよ
無意味な虚勢はよせ
立身出世などどうでもいい

よーく覚えておくんだよ
みんなで久しぶりにこうして家族全員でいられること
みんなの笑顔
美味しいたべもの
春の日差し





山本さんのように生きるんだ

主演 クロ





追記 これを書いた翌日、北海道新聞の記事より引用

利尻町の吉田欽哉さん(89)の記事が載っていた。本作品とほぼほぼ証言は同じ。

1日4人、約80人の仲間の遺体を埋葬した。
ラーゲリでは、毎朝7:30起床の合図が鳴る。「地獄の鐘」
仕事は松の伐採作業。2人一組でノコギリを使って切る。
約50センチの黒パン(一本で10日ほど食べられる量)をおじさんの形見の腕時計と交換したという。ところが夜にトイレに行った隙にパンがなくなっていた。誰かが盗んだのであろう。怒りより仲間に裏切られた悲しさが大きかった。あまりの空腹で「家に帰りたい」よりも「明日も生きたい」という思いが勝る。
1949年に帰国。共産主義にかぶれたと白い目で見られ、雇ってもらえなかった仲間もいた。
生きている間にもう一度シベリアに行き、1つでも2つでも遺骨を持って帰りたい。戦友にできる供養で自分に残された最後の仕事(2024.5.12)
ルマンド

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