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ラーゲリより愛を込めてのtsunanaのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
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序盤の過酷な労働、理不尽な暴力。生きて帰るためにと人の人格すら変えてしまう戦争の惨たらしさをまざまざと見せられ、涙よりも本当にただただ苦しくて、こんなの人のやる事なのかと目をふせたくなりましたが、これは現実にあったんだと、目を背けずに観なくてはいけないと思いました。

みんな残してきた大切な人がいて、生きて帰りたい理由がある。大切な人達と過ごす権利は、誰も奪ってはいけない。
山本さんや他の人々が大切な家族と過ごすはずだった時間を、他人がどうして奪えるのか。この映画を観ると、戦争がもたらす残酷さを改めて感じます。
人としての倫理観はありません。それは本当に恐ろしい事です。

悔しくて、辛くて、絶望しているはずなのに、山本さんはみんなに声をかけ、自分が処罰を受ける事になってまでも、家に帰るまで全員に希望を持たせた。
その人柄に、みんなの心も解けていく、特に野球のシーンがすてきでした。

戦争の恐ろしさを改めて感じると同時に、どんな状況下でも希望を持ち強く生きていく、山本さん達の力強さに心打たれる作品でした。
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