このレビューはネタバレを含みます
戦争や紛争の惨たらしさ、極限状態に追い込まれ露わになる人間の醜さ、しかし、そのような誰もが絶望の淵に押し潰されそうな状況に置かれても、決して心を歪めず、更には周囲の人々に希望を与え続けた実在の人物を描いた観る者の心を打つ作品です。
二宮和也さんと北川景子さんの熱演に、ついつい涙腺が緩みます。
しかしながら、終盤になると、流氷の中を犬が大型船を追いかけて来たり、それをピックアップするために船を停止させたりする荒唐無稽なシーンや、分割された遺書を届けにアポ無し訪問が何度も繰り返される“天丼”的な展開には失笑せざるを得ませんでした。一人目の安田顕さんのシーンが最高だったし、それだけで良かったと思います。
ついでに、ラストの寺尾聰さん、必要だったのでしょうか？もちろん寺尾さんの演技は素晴らしかったし、鬱々とした展開から救われる気持ちにはなりましたが、制作側の何らかの都合によって無理矢理入れ込んだ感が否めず、なんだかなぁ～と。
中盤迄は、とても良かったので正直残念です。
偉そうな感想になってしまいスミマセン。
