このレビューはネタバレを含みます
ジュブナイルモノと監禁スリラーと心霊ホラーを全部混ぜてタイトな尺に纏める傑作。スコット・デリクソンはやはり巧い。前半部は殺人鬼が子供をどう扱ったのか直接的に見せない演出を積み重ね、不穏な空気を充満させていく。捜査現場の空撮のみで「何が起こったのか」を描写として済ませる語りは極めてスマートかつドライだ。そして、だからこそ電話の声の正体がカメラを動かした瞬間に実態として現れてくる場面や突発的に発生する暴力のインパクトが増す。最後まで殺人鬼の行動の理由付けを一切していない潔さも好き。