題名:ブラック・フォン
鑑賞日時:2022年7月16日
鑑賞方式:MOVIXさいたま
評価:3.7(MAX5.0)
『俺の敵を討て。そしてここから出ろ』
2022年118本目(劇場鑑賞27本目)
【良】
・誘拐犯との見事な最終決戦
死者の手助けを得て、誘拐犯を見事に打ち負かすクライマックスのシーンが、しっかりクライマックスになっていて、なおかつ緊張感も凄まじかったです。
【悪】
・主人公の成長物語としてはイマイチ
主人公の少年フィニーは、学校ではいじめられっ子で、毒親の父を持ち、母親は亡くなっている、という設定でした。ここから、非日常的な経験を通してどう成長するのか、というのが今作の主軸にあるわけですが、そこの見せ方は余り巧くないように思いましたね。主人公は最初から、誘拐犯に臆することない姿勢ですし、黒電話からのアドバイスや超常現象を割とすんなり受け入れたりするため、キャラクターの感情の中に“葛藤”というものがまるでない。葛藤がないから成長も生まれない。要するに、主人公は元から精神的にも肉体的にも強かったように見えるんですよね。
・妹の霊能力
これが、結果的に主人公の血筋に説得力を出すためだけの描写になっているのが非常に勿体ないです。極論いえば、妹の霊能力が無くても、主人公が事態を解決できてしまえている、とうのはストーリーとして微妙だと言わざるを得ないでしょう。少なくとも、誘拐犯に主人公が打ち勝つというプロセスの中に、妹の活躍も組み込むべきだと思います。
【総評】
プロットは悪くないと思いますが、ホラー描写は音がデカいだけで工夫がありませんし、ストーリーも気になるところが多い。期待していただけに残念。
以上