げ

ブラック・フォンのげのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

デュアル視点死にゲー脱出ゲームの最後の周回ってかんじ。

一応サイコスリラージャンルなんだろうけど怖いというより謎解きのワクワク感とグラバーのランダム出現がゲームっぽくて不快感がない。
監禁されて即マップ把握をしたり、フォンの指示を根気強く実行したりとフィニーの脱出ゲー適性が抜群で安心感があった。
ポスターや予告で怖い演出されていた「死者からの電話」があんなに頼もしいものだったとは。
漫画「生者の行進」でめちゃくちゃ泣いたのを思い出した。

脱出ギミックも巧妙で、どれも失敗ばかりかと思いきや最後には全てが生かされ、無念にもこの世を去った犠牲者たちの思いと共にフィニーが生還するのは胸が熱くなる。

映画の1/4を使ってしっかり描かれるフィニーの交友関係が後半に効いてくる展開もアツい。
特にロビン。きっと彼が最後の電話だろうとは思ってたけど、フィニーに必要だった最後の勇気を授けてくれた。あそこは泣いちゃう。拳を突き出す動きがシンクロするカットなんてむちゃくちゃアツい....!

あと、フィニーとグウェンの父は妻を喪った経験から子供たちの"能力"を否定するが、決して毒親って訳ではなく、最後に歩み寄る姿が描かれていたのが救いだった。

とにかく無駄がなく、グラバーの背景も匂わせるだけで具体的に描かないし、フィニーのその後もセリフ少なくサラッと描写されるだけに留められている。

グウェンが父親と家族を繋ぎとめてくれたんだなぁとか、グラバーは恐らく何かしらトラウマを抱えていたんだろうなぁとか、見終わって余韻で考えを巡らせてさらにスッキリする作品だった。
げ