スコット・デリクソンという、凡そ埋もれてしまいそうなジャンル作品に染まりながら言い難い圧というか痛みというか、同時に根源的な信仰の強さも感じさせる作家が、『ドクター・ストレンジ』という晴れ舞台での様々思うところを経てだろう、やっと裸足になって自分の作家性をさらけ出したような映画
ジュブナイルだが、やはりいつも通り殺伐としている。何もない地下室に幽閉され、他の子供たちも無残に殺されたという。
だがこの何もない地下室から少年は闘う。死んでいった子供たちの助力を得て。
殺伐とした世界に残る何か。それを信じている人間がホラーを好んで撮ってくれている事実が嬉しい。
何もない中で背中を押してくれるもの。それはきっとあるのだ。いつでも、どこでも、誰にでも。
映画が世界であるように。世界が映画であるように。