カネコ

ブラック・フォンのカネコのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
4.3
先ほど観たヒッチハイクの口直しにとブラムハウスだし間違い無いと思って観たら最高のジュヴナイルホラーに出会えた。

70年代アメリカの雰囲気の本作の原作はスティーブンキングの息子、ジョー・ヒルの短編🇺🇸
オープニングのフィルムっぽい画質で行方不明のビラ・黒いバン・パトカーに血のイメージ最高💯

爽やか野球少年の失踪から始まり次々といなくなる少年たち。
主人公の少年フィニーはブラッドレンフロを彷彿とさせる美少年。妹思いで優しいけどちょっと頼りない。学校では虐められ家に帰ればアル中の父親から虐待を受ける。そんな環境にも絶望せずガキ大将の少年と親交を深めたり。
2人を繋ぐのが映画と言うのがまた良。悪魔のいけにえ最高だよね。

誘拐犯のグラバーは実在したピエロの殺人鬼ジョンゲイシーみたい🤡
独特な造形のマスクはベテラン特殊メイクのトム・サヴィーニが作ったそう。
よく出来ててカッコいい。
上半分とか下半分とか気分によってセパレートに着けられるの良いね。
演じるのはイーサン・ホーク。元祖子犬系俳優だけどかなり作品選び尖ってるね。
顔殆ど見えない役にも関わらずオファー受けるところ好。

フィニーが監禁されたのは薄暗い地下室。
絶望の中断線した黒電話が鳴る📞
電話の声はグラバーの被害者たち。
無念の少年たちがフィニーに少しずつヒントと勇気を与えてくれる。
その過程が怖いしドキドキするけどどこか少年たちの友情を感じて温かい。
それにしても穴掘ったり壁壊したりしてるのにグラバーにバレてないのがすごい。
あの黒電話は遺体遺棄現場に繋がってたのかな。

もう一つ重要なのが妹の存在。
妹のグウェンは口が達者で自分の意志は曲げない強い心の持ち主。喧嘩にも立ち向かって行く。兄とは正反対の性格。
そして予知夢を見ることが出来る。
フィニーが行方不明になってからは夢で兄を探そうと必死になる。そんな健気な所が泣けた。

それと対照的だったグラバーの弟マックス。ジャンキーだけど良い人だったのに。

ジョー・ヒルの父キング曰く”地獄のスタンドバイミー”は上手い表現で至る所にキングっぽさがあった。

グラバーがけっこうフィニーの事放置してるのとか全然殺さないとか気になる所はあったけどそれ以上にラストのカタルシスが細かい所を吹っ飛ばすくらい大きかった。今までの電話が全て役に立ってた。最高📞

刑事がずっと役に立たなくて最後のミスリードは羊たちの沈黙かと思った。

フィニーが夜中にテレビで観てた映画が気になる。
”ティングラー 背すじに潜む恐怖”
パブリックドメインになってるナイトオブザリビングデッドじゃないところが良💯
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