このレビューはネタバレを含みます
今の日本の時代に合わせようと過渡期になってるテレビ業界に通じるようなところもある気がした。倫理的に言っていいことと悪いことで押し問答したり戦ったり。
正直な脚本や面白い展開のために、スポンサーや総合演出、差別的な社会のムードと主演俳優が議論し戦うくだりは制作やってる人の誰もが耳が痛いシーンというか、現場で作ってる下っ端は立場を守らないといけないからエンタメを軽んじがちな長いものに巻かれることがままある中で、ルーシーの立ち振る舞いに感じることがあるんじゃないかなと思った。
ただ、色んな人の思いが錯綜してるので理解が追いつきづらく、事前にざっくり時代背景だったりルーシーについて予習してないと少し難しい気もした。
公私共に国民的な夫婦だった2人は実は最初から破綻してて公私共に夫婦を演じてたというオチに、なんかわからんが妙に切ない気持ちになった。
でも今作を見てる限りルーシーは、夫婦という枠を守るために最初から最後まで夫を立てようともがいた人だったんだろうなと思った。
実在の夫婦ものかつ、同じタイミングでアカデミー賞にノミネートされてる「タミー・フェイの瞳」と比較されがちな本作だけど、結局どっちも夫の浮気で崩壊したオチに絶望的になる。