NaokiAburatani

デューン 砂の惑星PART2のNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
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う〜む、正直あまりノレなかった。
やはり設定の練り込まれ方が半端じゃないので、初見で中々理解できない所と宗教使って人を先導する話に対して個人的に忌避感あるのが原因かもしれない。

とはいえ、とにかく映像の迫力は流石のドゥニ・ヴィルヌーヴ。巨大戦艦や戦車、砂虫、合戦、広大な砂漠なんかは劇場で観てこそ。特に砂虫なんかは観ててあまりの迫力にビビってしまった。ちなみに、砂虫に乗った後どうやってあの人達は地面に降りてるのだろうか。

映像だけでなく、音響も凄まじく、劇場でデカい音聞けるだけでも必見・必聴の価値あり。

原作完全未読なもんで、的外れかもしれないが、気になる点がいくつか。
結局復讐果たした後のティモシー君は何がやりたいのだろうか。自分のルーツを知り、落ち込みながらも予言の通りに行動してるのは最終的には運命に抗うためのものなんだろうか。それにしたってゼンデイヤにあれだけリップサービスしときながら即皇帝の娘を娶る発言するとかあんまりなんではないかい?今後の展開でフォローは入るのかもしれないが、ちょっとなぁ。

オースティン・バトラーは結構良いキャラしてるしキャラ紹介に大分時間割いてた割には合戦では活躍がなく、皇帝の代理決闘で使い捨てるのが非常に勿体なかった。白黒の闘技場のシーンが外連味あって良かった。
ってか、オースティン・バトラーだって中々気づけないよ!(笑)

合戦に踏み切れなかった理由って何なんだったっけか?躊躇してた割には核ミサイルと大量のサンドワームでゴリ押し出来てたような気がしたからあんまり兵力いらなくね?とか思ってしまった。こんな未来でも核ミサイルってあるんだな、とかあの大量のサンドワームがいつの間にかどっかに消えてしまったのも気になった。何か仇取って皇帝跪かせてもイマイチカタルシスが感じられなかったんだよなぁ。

これだけ科学万能通り越して、倫理観がバグってるような技術が多用されてる未来世界なのに人を先導すんのに宗教的なもの使うのが手っ取り早いのは人類史において昔から変わらないのに辟易する。しかもそれが主人公側っていうのが‥あの世界には神の概念はあるんだろうか。ティモシー君が預言者ではなく、予言者で救世主で体現者になっていることで自身が信仰対象になっていたり、偶像が見当たらなかったりどんな宗教体系なのかが気になる。

ゲリラ戦やられたら相当苦戦するとかそれに対して乱暴な空爆しかけるとか、現地の人達を使って戦争するとか何となくベトナム戦争を想起させられた。こんな未来で舞台が別の惑星でもホントに戦争ばっかやってたらやだなぁ。

砂漠渡りの試練のシーンとか南に向かう時とか急に話がぶっ飛ぶから編集が変に感じた。単純に166分は長過ぎる気もしたから3部作とかにして一作当たりの時間を短くしてくれれば、もう少し頭の中で整理しながら観れたような気もする。

登場人物達がもれなく苛ついてることが多くて、急に大っきな声とか物音出されたり、ビンタしたりされるとビックリしちゃうから勘弁して欲しかった。

あくまで原作設定知らずの状態だからもう少し内容深堀ったら楽しめるとは思う。
2部作とのことだったが、これでホントに終わりなのか?もし次回があるならもう少し早く公開してもらえれば有り難いなぁ。
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