Saito

デューン 砂の惑星PART2のSaitoのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
なんといっても洗練された美術と架空の文化や歴史に存在感を与える確かなSF的ディテールが刺さる。166分の長尺だがこの映像的快楽と物語に緊迫感をもたらすいずれ劣らぬ強力かつ政治性を帯びた各勢力がこちらを飽きさせない。宗教と神話をベースにした英雄譚であり分かりやすい復讐劇が展開のベースにあるのでエンタメとしても成立しているが、前者の部分が偽りであり後者の部分が先行きの薄暗さを感じさせるところも良い。
ラストはハルコンネン本人はまだしもフェイトをポールと初対面で退場させるのは軽薄な印象を与えてしまったような気がするし、打ち切り漫画感を感じたことは否めないが、停滞から抜け出す為の既存の世界の破壊という原作の大きなストーリーラインを予感させる革命による既存体制の破壊と、もしかするとより狂信的かもしれない新たな体制の再生産、そこに囚われない孤高の存在としてのチャニなど様々に開かれたpart3以降の展開に対して想像が膨らむ。
Saito

Saito