Saito

クイーン・オブ・ダイヤモンドのSaitoのレビュー・感想・評価

3.5
ベガスのカジノで働く女性の空虚な日々。うんざりする超長回しや孤独や断絶を表現する為のロングショット等アケルマンの影響を感じまくる。荒涼としたベガスの風景やギラつくカジノと対照的に常にチルな主人公。その心象を反映したとにかく虚無的な映像。
ストーリーのほぼ無い前衛的な映画を観ることが必ずしも苦痛ということはなく、アケルマンの様に如何に長時間圧倒的な空虚さを見せつけられ続けても胸に刺さる作品はある。しかしこの映画におけるカジノの長回しとアケルマンのキッチンにおける長回しでは緊張感が違う。
おそらくベガスに住むカジノディーラーの女という設定に普遍性が無いので共感性に乏しく単に物理的に虚無感を味合わせられたということかもしれない。にもかかわらず不思議なことに画としてはかなり格好良いショットに溢れているので観る価値はあったかも。
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