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いまだ興奮が醒めやらず。バーフバリを初めて観たときと同種の魂の昂ぶりを感じた。ここ数年観た映画のなかで最もおもしろかったんじゃないだろうか。こんなにおもしろくていいのか⁉︎と途中で不安になったほど。
ヴィルヌーヴなのに眠くなるシーンは皆無。全編クライマックスだった。Part 1を観た人なら、四の五のいわず観にいくべし!
もうね、SF映画の古典としてはもちろん、架空の宗教映画としても、政治映画としても申し分ないのよ。ポールが意に反してフレメンを煽って戦争に導くところなんか、ちょっと怖くて震えたもん。
ベネゲセリットの流布した救世主伝説をまんま受け入れてるスティルガーの熱狂感なんて、ある意味滑稽なんだけど、そのひたむきさはときに感動的でさえあるんだよね。ハビエル・バルデムの妙々たる芝居を見さつけられたわ。
憎いのは、チャニの何ものにも縛られない現代的な女性観と対比することで、お互いの思考や感性の差異が際立つというね。
チャニとポールのロマンスを期待してたぼくとしては、もっとかわい子ちゃんタイプの女優の方がいいと思っていたのだが、知的で強い意思を持ったこのチャニは、ゼンデイヤが演じることに意味がある。想いを内に秘める彼女だからこそ、ポールの宣言を聞いたときの傷ついた表情がなんともいえなくて…。
ハルコネン(ギエティ・プライム)のパートでは、次男フェイド・ラウザの生誕祭がアガる。オースティン・バトラーの残酷だけど知性ある非情さがなかなかの異常ぶりだった。リンチ版のただ軽薄なスティングとは大違い。ヤバい臭いがプンプンしてた。ポールとの決闘なんかリンチ版のはポンコツ過ぎて笑っちゃうもんな。
聞くところによると赤外線カメラで撮影したらしい。普通じゃないコントラスト、彩度のない違和感ありありの世界観がなんか好き。
まあとにかく、ポール、ジェシカ、教母、銀河皇帝、そしてフレメン、それぞれの葛藤、思惑、陰謀、策略、希望がうねり、運命に導かれるように奔流をカタチづくっていくのが見事だった。パワーバランスが結構複雑なのにわかりやすくて驚いたし、何より品位のある語り口が気持ちいい。
全編砂漠なので、本来は色味は少ないはずなのに受ける印象は色鮮やか。青い目が神秘的だからか。さらに大作感のある引き絵の構図がいちいち格調高くてほれぼれしちゃう。この感動はぜひともIMAXでご覧いただきたい。あの巨大なスクリーンで観てこそ、ヴィルヌーヴの繊細で壮大な術中にハマれるのだから。
Part2はイルーラン姫を娶る(政治的に)と宣言するところで終わるんだけど、この感じだとPart 3もありそう。
てかこのあとは「砂の惑星」じゃなくて「砂漠の救世主」なんだけど。より政治と宗教の話になって、子供の頃はあまりハマれなかったのだが…。けどヴィルヌーヴにはちゃんと目算があるのだろう。
そうそう、予告編で船をパルスで爆破するシーンがあったから、もしかしてリンチ版の音声兵器「モジュール」を採用するのか? とワクワクしてたけど、さすがにそれはなかった。シャーーーーザッ!はちょっと見たかったんだよな。
グラシネのIMAXで観たんだけど、エンドロールで出たよ、スマホつける奴が。再三再四、スマホやスマートウォッチは切っとけって注意されてんのに、バカは聞いちゃいねえ。ぼくが注意してもてんで聞きやがらない。それどころか文句があるなら警察に言えばいいときた。まあ、中華の人だからモラルもルールもぼくらとは違うんだが、まあ呆れ返ったね。なぜかDUNE 2は池袋の中国人に人気があるらしく、先行ロードショーの時からIMAXでのマナーの悪さが問題になってた。だいたいIMAXを観にくる層ってそういうところにはうるさい映画ファンだと思うんだけど、一体何が起こってるんだろう。どういう流行なんだろう。あの娘、そこそこ上手に日本語喋れてたから余計ムカつくんだよな!