世界の映画賞で美術系の各賞を総なめにした前作に続いて、この「PART2」もやはり映像や美術に関するノミネートが大半になっている模様。映像表現だけが突出した映画があっても良いと思うし、「スターウォーズ」辺りのSF作品を観て育った世代にとって、それは映画の魅力として大きなウェイトを占めている事も理解できる。
ドゥニ・ヴィルヌーヴによる今回の映画化では、俳優ももはや映像表現の一部になっていて、ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、ハビエル・バルデム、、、と彫刻のような顔を持つ人達が大半を占める。
SF映画ではあるものの、言葉本来の意味でのアクション・シーンは実際さほど多くなく、今作の見どころである巨大な砂虫や、コロシアムでの大群衆等、絵画的なシーンを中心に構成されている。
独創的な美術と音響によって作り出される世界観は、前作よりもダークで鋭利。ストーリーそのものにはあまり魅力を感じないが、50年以上前の小説を原作にしている事もあって、近年のエンターテインメントに徹したSF映画とは全く異質の作品になっている。