えどみっきー

カッコーの巣の上でのえどみっきーのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.6
人間の尊厳ってどういうことか、これ以上ないほどに考えさせられる

毎日のルーティンが厳しく決められた精神病院において、マクマーフィーがそれをぶち壊していくことで、「患者たち」が豊かな表情や精神的な自由を取り戻していくところが印象的だった。

現場はそう単純じゃないのかもしれないけど、精神的に障がいや疾患があるからといって、安易に病院に隔離収容して抑圧することは、絶対におかしい。

日本では、強制入院に裁判官の関与がない。また映画の中でも描かれているように、任意入院だからといって、それが本人の自由な意思に基づくものではないことも多そう。この問題に関心を持たなければいけないと強く思う。
ハンディを持った人が隔離され排除された社会は、健全ではないのではないか。今は徹底的に分離されていて、また構成員たる我々も効率に囚われるあまり「めんどくさい」人たちを許容できない窮屈な考え方を持っている。それも改める必要があると思った。
えどみっきー

えどみっきー