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カッコーの巣の上でのOMCのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.0
強制労働を逃れるために精神疾患を装って入院してきた受刑者の話。
1976年アカデミー賞作品賞受賞。
初見です。
ジャック・ニコルソンはもちろんのこと、入院患者役の役者さんたちの演技が素晴らしかった。
みんな退屈な毎日に不満を持ちながらも、何もしないし、不満を口に出すわけでもない。看護師長のいうことを聞いてりゃとりあえず食うには困らない、不要な心配事なく生きていける。下手に問題を起こそうものなら電気ショック療法で痛い目に遭うだけ。本当は酒を飲んで騒ぎたいし、人並みにクルージングとかデートとかもしたいけど、そんな事はとっくの昔に諦めて。
これは障害者だけの話ではない。我々もちょっと気を抜くと生ぬるい日常に流されて、気がつくとゆでガエル状態で、いつのまにか心も財産も誰かに搾取されてるってことはありがち。
人間の尊厳とか生きる意味とかを考えさせられる。そして一度きりの人生、何をやってもいいんだって思える。やりたいことをやるための多少の苦労や苦痛は当然伴うけど、好きならそれも受け入れられるはず。
監禁されてる訳でもないのにそこを出て行かない精神疾患患者のようになりたくない。
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