おぎこ

カッコーの巣の上でのおぎこのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
3.5
自由を求めることの代償を描いた、非常に考えさせられる一作
やんちゃもののマクマーフィーが、患者を徹底管理することで秩序を保とうとする精神病院に新しい風を持ち込む、そんな心温まる世直しコメディかと思って前半を見進めていたが、その状況から脱しようと考えられない患者の心情も相まってそこまで簡単には物事が進まない、そんなモヤモヤした展開になってくる。最後のシーンで示される、マクマーフィーが残した小さな変化。これは希望の形であるのではないかと自分は解釈した。
言わずもがなではあるが、主演のジャックニコルソンの演技は凄まじい。これまでに見た映画の中でも一二を争うようなハマり役で、ひとつひとつの仕草がマクマーフィーという男の人間性をリアルに見せてる。他のキャスト陣も豪華だが、彼の演技無しにはここまでの名作には昇華されていないだろう
人間の尊厳について考えさせられ、鑑賞後心にチクっと針が残るような、そんな一作
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