映画ケーン

カッコーの巣の上での映画ケーンのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.8
なんか、アメリカンニューシネマって「終わった」んだなと悲しくなった。

今では振り返って「陰気な映画(ニューシネマ)ばかりだったのを終わらせた『ロッキー』『スターウォーズ』」って、この変化を肯定的に言うけど、『俺たちに明日はない』『イージーライダー』みたいな破滅していく若者を切れ味よく描くという、音楽でいえばパンクの運動みたいのが最後に到達したのが、今作みたいな金かけた「暖かい感動作」であるのが、何かひとつの時代の終わり、ひとつの運動の限界を見た気がする。

もちろん超面白かったし、いわゆる「暖かい感動作」とも違うのは確かなんだけど、ニューシネマが『スターウォーズ』に時代を持っていかれたのは問題だった。

同年の『狼たちの午後』は破滅していく若者を描いてたのに(一応今作もジャック・ニコルソンの「破滅」とも言えなくもないけど)。『ジョーカー』もそれに近いけど、あの映画自体が大金かけて、しかも評価されて、資本主義の中で消費される、その構造自体をメタ的に見て皮肉る内容で、反骨もまた資本主義に取り込まれていってしまう。

全く関係ない話になったけどw
今作は面白いのでオススメデス!!
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