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カッコーの巣の上でのneziのネタバレレビュー・内容・結末

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

アメリカンニューシネマだから見る前から想像はついていたけど、良くも悪くも尾を引く映画。最後のロボトミー手術をされたマクマーフィーの姿を見たときは切なかった。

チーフが象徴的な存在だった。チーフは酒浸りになっていた父親を殺して捕まって、マクマーフィーと同じく詐病を使って病院に入っていた。聾唖のふりをして口うるさい婦長や病院のルールに無言の抵抗をしていたんだと思う。そこで出会ったマクマーフィーに勇気づけられて、病院から脱走していった。

だから俺が思うにこの映画は、自由を手に入れようと奮闘した結果死んでしまったマクマーフィーと何も言わずに耐え続け最終的に自由を手に入れたチーフの対比だと思う。最後チーフがマクマーフィーを殺めたのは、自我を失ったマクマーフィーに対する同情からなのかな。原題の「One Flew Over the Cuckoo's Nest」、このOneってのは最後に病院から飛び立って行ったチーフのことを言っているんだろう。

病院が社会に対するメタファーだったりして、ほかにも色々見どころのある映画だった。きっとこの先見返すたびに新たな発見があると思う。
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