とり

ケルベロスのとりのレビュー・感想・評価

ケルベロス(2005年製作の映画)
3.8
タイトルとパッケージ写真を見て衝動レンタル。
こういうB級ものって発見した時に速攻で借りておかないと観るチャンスがなくなるんですよ。
こういう作品の中には大当たりもあるので、できれば逃したくないチャンスなのだ!
本作については大当たりとは言わないまでも小当たりっていうか、失敗作ではないと個人的に感じました。
肝心のクリーチャーケルベロスの映像が超B級品なので、それだけでクズ映画と決め付けてしまう人もいるかもしれません。今の時代確かにそれは間違いじゃないかも。
でもそれ以外のセットはなかなか頑張って作ってあります。
墓地の遺跡とかそこからつながる狭い洞窟とかなかなか雰囲気があってよろしい。
なんといっても凄いのは脚本。最初から最後まで徹底して超セオリー通り。
いわくつきの鎧発見、その研究の第一人者である博士が殺され、その弟子のヒロインがわけがわからないまま拉致され、そこに現れる謎の男性。
なぜかちょっと小汚いがよく見ると正統派ハンサムの男性と気の良さそうな手下たち。もちろん手下たちはヒロイン・ヒーローのために命を投げ出します。対する悪役は鎧を盗んでスーパーパワーを手に入れやりたい放題。
何のひねりもありません(笑)
新鮮味がない変わりにとてもとても安定した展開で、案外楽しいんですよこれが。
やっぱり昔から使い古されてきた題材というのは本当に面白いものだということですね。
ケルベロスの映像はいかにも合成って感じで、言ってしまえばハリーハウゼンの時代と大差ないです。
ですので人々が襲われるシーンは必ず遠方ショット。近くで見せる時は大暴れしててじっくり見せない工夫までしていて涙を誘います。
更にその心意気を買いたいのは、サービスショットてんこ盛りなところ。ケルベロスに喰われまくりシーン満載。
まぁ丸呑みとか上から覆いかぶさってガブガブが多いので、ここでもまた工夫してるのね…と事情を察してしまう悲しいところでもありますが。
あとは「うわやっちゃった!」と思ったのが、スプラッタ映画ではお約束の若者たちの夜のキャンプシーン。もちろんいちゃいちゃしてる時にグァー!とくるのも忘れちゃいません。こういうちょっとしたサービスの積み重ねがまた嬉しいじゃないですか。
ちなみにヒロインが早見優(若い頃)によく似ていていやみのない美人っぷりだったのもポイントでした。
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