1936年に作られたフライシャースタジオの短編アニメ。私はこの作品にいたく感激しまして、感想を書きたかったのですがフィルマには未登録だったので、この度追加していただきました。私はクラシックアニメに詳しい人間ではないのですが、この短編が引用元と思われる作品もいくつか見かけますので、フライシャースタジオ作としても有名なのだろうと思います。

ホテルを経営する邪悪なクモと、新婚旅行でやってきたハエの夫婦。ホテルマンのクモは文字通り手ぐすねを引いてハエを待ち構えており、ハエ夫婦はクモの手から逃れるために応戦し、ホテルの部屋に捕らえられていたハエたちを救済、共闘してクモの野郎をギッタギタに懲らしめる。といった内容です。
約8分の短い作品ですが、そこに詰め込まれた数々の仕掛けにクラクラします。作りの細やかさ滑らかさが尋常ではなく、小道具の使い方も超楽しい。物語も登場人物も最小限ながらアニメーションという手法で最大限に生かし切る。特撮からアニメへ滑らかに滑り込む導入から美しい。

この作品を知ったきっかけは『カップヘッド 』というアクションゲームでした。このゲームはクラシックアニメに対する異常なまでの敬意と愛情が詰め込まれておりまして、当然のようにフライシャースタジオの作品からも多くの影響を受けております。今年、カップヘッドのアートワーク集が出版され、膨大な数の引用元が記されているのですが、『蜘蛛の巣ホテル』はその中の一本として紹介されていました。

創作物が良いバイブレーションを産んで、次のカルチャーに伝播していく。そうやって広がっていく世界、繋がっていく世界が楽しくて、古きも新しきも同じように摂取したいと思う今日この頃でした。

この作品がいろんな人の目に触れますように。

https://youtu.be/JcPpHSSZIdQ

アニメーションのクオリティは勿論、ハエがクモに反撃する方法もユニークで良い。クモの声ポパイ

🎞悪いホテルオーナーに抵抗する羽虫たち
👍コマ間移動を彷彿とさせるメタコミック