Jun潤

もっと超越した所へ。のJun潤のレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
4.6
2022.10.25

菊池風磨出演作品。
その情報だけでClipしていましたが、予告を見ると最近大好物のクズ男ムービー。
しかも群像劇っぽいときたものだから、色んなクズ男が見れることに期待を寄せて鑑賞です。

それぞれ違う仕事をして、違う部屋に住み、違うことを考えている4人の女性。
彼女らには彼氏か、それに近い親しい存在がいた。
彼らは,モラハラヒモニート、金無し学無し根性無し、プライドだけ高い夢追い人、天然ジゴロのゲイと、揃いも揃ってクズ男だった!
それぞれの日常の先に待つ結末、それを“もっと超越した所”とはー。

これぞクズ男の最高級フルコース!!
いや、憎めないクズ男と言うべきか。
菊池風磨や千葉雄大の顔面でもクズはクズ。
クズが泣くほど笑いが止まらねえ。
4組のカップルたちの物語だったため気付くのが遅くなりましたが、舞台が変わらないためただのコメディではなく1?いや4シチュエーション・コメディ。

いやもうなんといっても男たちが清々しいほどにクズ。
上述の通り四者四様のクズっぷりを発揮しており、見ていると心当たりがあって恥ずかしいような、同じ男として情けないような、女性にぶつけられる言葉が正論ストレート過ぎてじんわり効いてくるような。

誰がどのようにクズなのかはぜひとも自分の目で確かめてほしいのですが、今作で印象的なのは女性たちはあくまで普通の生活、普通の恋愛、普通の幸せを求めているだけというもの。
クセ強め、むしろクセしか無えクズ男が揃っているからこそ、普通の女性がそばにいるとさらにキャラクターが際立つ。
クズ男がそばに居るということだけでなくそれが4人に共通しているからこそ、どの女性とクズ男の組み合わせであっても絶対同じ道筋を辿るだろうという謎の安心感。

タイトルや宣伝から、やたらと“超越”だなんだと煽り、煽られたこちらとしてもどのように“超越”してくるのかと身構えていましたが、それすらも軽く飛び越えてくるような“超越”っぷり。
4シチュエーション・コメディという舞台を140%使った仕掛けに、第4の壁をも“超越”してくるハイテンション・メタフィクション。
クズ男が愛らしいとはいえ日常の描写の連続だった展開の最後の最後に最大の山場を持ってきていて、一瞬流れたエンドロールに本気で騙されました。
クズ男もクズ男で仕方ないけど、女性も女性で結局そうなんのかーいな展開なのか、情けない男たちと違って妥協点を見つけて、女性なりの強かさで愛情を求めていく姿を見せたのか、真相は闇の中。

演技は菊池風磨ですね、個人的に。
いちいち出してくる甘々フェイスに甘々ボイス、ライブなどのパフォーマンスからすればギャップありすぎだし、バラエティなどで見せる姿とはマッチしているけどこっちではイライラが限界突破。
彼個人のセンスもありますが、こんな活かし方をするとは製作陣の実力の高さが伺えますね。
Jun潤

Jun潤