akira

ボイリング・ポイント/沸騰のakiraのレビュー・感想・評価

3.8
かなり面白かった。

90分1カット(視覚効果などを駆使した擬似1カットではなく、本当に一発撮り)というギミックをはじめから知っていたことも手伝ってか、ものすごく臨場感があり、没頭して見いってしまった。
本当に営業しているレストランで撮影したようにしか見えないリアリティがすごい。

レストランのとある一夜を描く群像劇ということで、「ディナーラッシュ」的なものを想像していたけど、こちらの方がずっとリアル寄りな感じがした。

ギャングがからんだり、超絶記憶力の天才バーテンが登場したりといった面白要素はなく、あくまでもそれぞれに問題を抱えたふつうの登場人物たちのドラマという感じ。

彼らの性格や関係性がごくごくさりげなく描かれていき、店内のあちこちで不穏な伏線が張られ、タイトルにもある沸点(ボイリング•ポイント)に向かって緊張感が高まっていくのがすごく面白い。

こういう「大したことが起こらない」タイプのドラマを面白く見せられるっていうのは、本当に凄いことだな、とあらためて思った。

ラストはかなりあっさりしてて少し物足りなさも感じたけど、そういうものだと思ってもう一回見たら、もっと好きになる気もする。
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