けんと

ボイリング・ポイント/沸騰のけんとのレビュー・感想・評価

3.6
主人公を中心に90分ワンカットでストーリーが進む。

見るからにヘロヘロで何かもが間に合っていない主人公。
自身がシェフを務める大繁盛のレストランで数分おきにトラブルが発生。
その度に“ボイリングポイント(沸騰)”があり、見ているこちらは怒りの感情が上下に動かされる。

見ている途中で、「あなたのボイリングポイントはどのシーンですか?」と作品側から投げかけられているのでは、と思いはじめたらとてもコミカルに見えてきて、見方が変わった。
(コメントで胃がキリキリする、とか胸糞系と書いてあるものもあったが、空間を見ているとそうなるのかもしれない)

ボイリングポイントは至る所に散りばめられていて、人種差別やLGBT、ドラッグや権力、家庭環境など誰もが共感できそうな内容で不条理なことが起きる。

これを見ている人は試されている。
おススメは友人や恋人と見ることだ。
お互いが何に怒り、何が許せないかがわかるきっかけとなる。

非常によかったのだが、アメリカ文化ならではのコミュニケーションがあり、日本にいたらまずこんなことにならんな、と少し冷めてしまったので減点。
けんと

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