輪

DRUG GARDEN ドラッグ・ガーデンの輪のレビュー・感想・評価

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色彩がフランスっぽい。
でも時々、イギリスっぽい。

ドラッグ、または向精神薬(安定剤含む)に
依存する人々の気持ちや背景が、少しだけ
描かれている。

ドラッグに関しては社会的にもアウトだし、
心身があっという間に壊れるから
使う人は、弱さの塊だと思っている。

使用に至る環境も、はっきり言って
ろくでもない。だから軽蔑する。

特に、ドラッグを使ったことで
出来上がるアート(もどき)は
芸術じゃない。
芸術だ、ってニュアンスの発言が
経験者のインタビューで
出て来るけれど。


他国で、戦争のせいで
重度のPTSDが辛くて
ドラッグを使うしかなくなり、
死を待つ方々には毒ではなく、
安楽死の為の薬なのだと解釈している。

向精神薬は公然と
依存症が作られ、製薬会社や
精神科医が利益を上げる仕組みに
なっていて、本当に恐ろしいことだと思う。

ようやく離脱症状が怖いと
取り沙汰されるようになったものの…。

アルコールなんか比較にならない、
酷な離脱症状が出る。

作中のレキソタンの離脱症状の様相、
リアルであの通り。
もっと色々、自殺企図や未遂や錯乱などが
起きる。(経験談)

現代の若い人は、手軽に市販薬で
現実逃避しようとしているけれど
痛ましいことだ。
市販薬も、多飲すれば
当たり前だけど決して安全なわけじゃない。


この映画は
広田レオナさんの、生きた軌跡が
芸術に昇華された作品だと思う。
サブカルチャー、アンダーグラウンドな
表現者・表現物が好きな人向け。
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