ぼっちザうぉっちゃー

アンビュランスのぼっちザうぉっちゃーのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.9
悔しいけど好き。
やっぱ俺の映画の原体験はマイケル・ベイなんだなということを改めて思い出させられた。どれだけ偉そうに分かったつもりで映画を読み取ろうなんてことしようが、マイケル・ベイ映画観る時は一気にIQが下がるというか、DNAに"存在しないはずのマイケル・ベイ塩基"が刻み込まれているようで、なす術なく血が踊る。

とにかく全カットにときめいちゃう。なんなんだよこのいちいちカッコイイ画は。日差しはともかく、光源なにこれ?っていう光の差し込みがめちゃくちゃマイケル・ベイ。そしてまたいちいち人物の登場で下から舐め上げたり、ドリー乱用していちいち大作風に撮るのもマイケル・ベイ。(今回はまたドローンとか使ってそれはもう楽しそうでした。撮ってるの。)んでやっぱ何より銃火器と車両の類をエロく撮らせたら右に出る者はいないな。エロすぎだろ。どエロだよ。いい子にゃ見せられないレベルだよ。

そしてもはや合間に挟まれてるのか合間を挟んでいるのか分からないカークラッシュの数々。今回割と車内が多いため特に、「あ、忘れてました。とりあえずやっときます。」みたいなエクスプロージョンで謎の口直し感すら覚えてしまう。(後半はもうにんまりのアルカイックスマイルでうんうん頷くだけ。)緩急とか無いんだもんだって。”緩”ですら”急”の流れの中にあるんだもん。

またシナリオはあってないようなものと言いたいところだが、意外とある。一台の救急車に乗り合わせた強盗と救命士を中心として、警察やチンピラまで巻き込んでちょっとした群像劇みたいなものが行われる。それが奇妙にも面白い。
ただ、持ち味であるお馴染みのジョークは緊張感続く状況と相性悪かったり、ほぼ詰んだ状態で一時間以上持たせたりだとか、目をつぶるしかない無茶は多分に存在する。だがもうお口の方がね、とにかく濃いんですよ。味が。それはもう毒も薬も混ぜて練って生地伸ばして、その上にこれでもかってほどピザソース塗りたくって分厚いチーズ撒き散らして色んなタバスコぶっかけて、そんで石窯で焼きゃあ美味しいピッツァでしょおぉ!!!みたいな。んでそれがまた特上のB級グルメなんだなこれが。質の悪いことに。エモーショナルもハラハラドキドキも力業でなんか飲み込まされちゃうんだよ。特にラストなんかは不意にグッときちゃって焦ったわ。

ただとにかく一つ言えることは、
ザック、あんたの生命力が一番すげえよ。