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ウーマン・トーキング 私たちの選択のPDfEのレビュー・感想・評価

4.2
生活ぶりやあまりにも酷い暴力の内容からどこか自分からは距離のある中世の話だと思っていたけど、突如知らされる2010年という数字から、これは過去ではなく現代社会の問題なのだ、と突きつけられる(耳をつんざくDaydream Believerが怖い)。

状況説明を冒頭の数分で済ませ、後の時間をすべて話し合いに当てることで寓話としての純度が増す。被害者が「赦し」を強いられてしまう環境、暴力が許されてしまう環境があることこそ問題なのではないか、という投げかけに対して教育、考えること、話すことが構造を変えていく方法として示されるのが希望だった。今の日本のことを考えると、性差によって様々な機会が奪われること、(少なくとも自分の頃は)話し合うことを学ばせなかった小中学校の教育など、構造を変えたくない力が至る所にはたらいていることに思い至ってしまうけど、「話す」ことをして抵抗していきたい。
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