あん

ウーマン・トーキング 私たちの選択のあんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

作られ上映されることにすごく意味を感じた作品

納屋で繰り広げられる意見が異なる9人の女性の会話、それもタイムリミットがあるためじっくりずっと考え込んでいいわけではない この決断が村の未来を決める

ボリビアのメノナイト達が暮らすコミュニティであった実話だと知ってすごく驚いた
"朝起きると暴行の痕があって自分の身に起きていたことを知る"なんて自分が今生きているこの世界でそんなことが起きていて、そんなおかしいことが何年もまかり通っていたなんて、本当に言葉を失う
そしてそれは悪魔の仕業だとか言われて信じてもらえず女性達は耐えることしかできない

きっとこの時間は最初で最後のチャンス
納屋のシーンは想像をはるかに超えて素晴らしかった
1人1人の気持ちを考えると胸が張り裂けそうに辛い でも会話の1つ1つの言葉を全て記憶しておきたかった
意見や考えが異なることは悪いことではない
サロメの心からの叫びや、マリチェの信仰を重んじながらも奥の奥の奥にある気持ちと葛藤する姿に涙が溢れてきた
本当にサロメの言葉が全部心に真っ直ぐに届いて痛いほど伝わってきて苦しかった
そしてオーナの知性あふれた発言には毎回ハッとさせられてた ルーニー・マーラさん演じるオーナの瞳はすごく深くて吸い込まれそうで、きっとあの深さはオーナの心の広さだと思う
最初は意見が異なっていたこの3人が「去る」という選択をするまでの過程がすごくすごく良かった
それぞれの家族最年長のアガタとグレタがここにいたこともすごくすごく良かった

男性がとる行動にも原因があること、今まで信じてきたことを手放すことは自分の今までの人生を否定してしまうこと、その考えを信じて守ること以外選択肢がなかったこと、女性には発言する権利すらなかったことなどの話し合いにまで至ったこの過程が自分の考えに新しい発見をくれた

この作品に携わった全ての方を尊敬する
そして出演された皆さんの演技が本当に素晴らしかったから俳優さんたちの今までの作品とこれからの作品をたくさん観たいなと思う
特にオーナはルーニー・マーラさん以外考えられないくらいに、オーナを演じたのがルーニー・マーラさんで良かった

原作も絶対読む
すごく心に残った映画だからこの先何回も観たいな

女性だけの女性に向けた作品ではなく、全ての人が観てほしい作品です
観ることができて本当に本当に良かった
あん

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