タイトルがとても良い。
伝えたいこと、そして家族への別れを口にするため12年ぶりに帰郷するルイだが、思うようにはいかない。
家族ってかけがえのないものなのに、どうしてこんなに厄介で難しいのだろう。
その複雑さがひとつの家族に投影されていた。また、ルイとは初対面ながら、誰よりも疎通しているように見えた義理の姉の存在があったのが良かった。
あの時もう少しこうしていたら、と後から振り返ることになるとその時は分からなかったり、分かっていてもまだ先のことだと知らぬふりをしている間にもう手遅れになってしまっていたり。
世界の終わりってたかだかそんなものなのかも、と虚しさと潔さの両方を感じた。