しうちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

4.2

背景知識がないと分かりづらいかもしれないがかなり良かった。要するに、白人によって元いた場所からはじき出され、男性的強さを誇示しなければならない黒人コミュニティにも息苦しさを感じている若者を描いた作品だ>>続きを読む

異端の鳥(2019年製作の映画)

4.0

確かに暴力的なシーンは多いけど『炎628』の狂気性に比べるとかなりヌルく感じた。美しいショットが多かったのは良かった

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.5

『道』よりフェリーニ色が強くて好きだった。ストーリーもこっちの方が感動できる。『8 1/2』とは似て非なる後味の終わり方やその前の溝口作品みたいなシーンも良かった

フェアウェル(2019年製作の映画)

3.0

今まで観たA24作品の中で一番微妙だった。もっと捻りがあるのかなと思ったら中国とアメリカの言語や文化の違いを描いてるくらいで、映像的にも特に面白いところはなかった。やっぱり難病闘病ものは感動しづらい

ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

4.8

完全にウェス・アンダーソンが描いた『8 1/2』で最高だった。脚本ノア・バームバックとの相性が良すぎる。ラスト20分くらい感動しっぱなし

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

4.0

かなり面白かった。一瞬も飽きさせる瞬間のない構成だけで十分素晴らしい上に、後々重要になってくるプロップたちをワンカットで見せる序盤の撮影に惚れ惚れした。低予算スリラーと思えないほど映像意識が高い作品。>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.3

いつも通り擬似親子関係がベースにあるスラップスティックコメディかと思ったら、最終的に世界に向けたかなり壮大なメッセージに繋がって驚いた。個人的にはもう少しミニマルな話の方が好みだが、これはこれで面白か>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

A24の青春映画は語り口がドライで良い。途中のパーティシーンでPTアンダーソンみたいなカメラワークあってびっくりしたしジョナヒル監督作今後も観たい

プレステージ(2006年製作の映画)

3.2

途中まではノーラン映画にありがちな脚本の粗や矛盾がない代わりに十八番の派手な映像もない。最後のオチはかなり酷いと思った。やっぱりノーランには『ダンケルク』みたいな実話ベースの映画をもっと撮ってほしい。>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

4.4

個人的な経験や思いが創作活動を通して昇華されている作品は無条件で心に刺さる。ドランのMV的センスが既に存分に発揮され、さらにシンメトリーな構図や度々ワンカットで撮られる口論のシーンなど、初期衝動溢れる>>続きを読む

サバハ(2019年製作の映画)

3.5

ネトフリオリジナル韓国映画。宗教が絡んだサスペンスということで全体的に『哭声』のような雰囲気で、脚本は良かったが、あまりに説明的過ぎるのと所々チープな映像があるせいで入り込めなかった。予算がもっとあれ>>続きを読む

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.7

19歳の少年が79歳のおばあちゃんに恋をして童貞を捨てる話なんだけどめちゃくちゃ感動した。成人する前に観ていたらもっと良かったかもしれない。少年と老婆によるファイトクラブ。設定や脚本頼りにならず、隠喩>>続きを読む

突貫小僧(1929年製作の映画)

3.5

後の作品につながるような構図が結構あって興味深かった。小津作品はそこまで観れてないので、笠智衆と原節子のイメージしかなかったけど子供の撮り方もかなり好きかもしれない。これからいろいろ観ていきたい

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.4

初期の作品過ぎて小津映画を観てる感じはほとんどなかったが、内容的にはなかなか良かった。変なプライドは持たないようにしたい

TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

2回観てきた。今までのノーラン映画と同様、大筋のストーリーはかなりどうでもよく感じたが、シーン単位でみると上手く作られてて面白い映像もあった。ただやっぱりアクションシーン見辛すぎるしどう考えても矛盾多>>続きを読む

散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.7

かなり好きなタイプのシュールブラックコメディだった。なんならコメディ映画で1番好きかもしれない。撮影はワンシーンワンカットが徹底されていて、登場人物全員精神病んでるのに俯瞰的に映すことで可笑しさが強調>>続きを読む

ホテル・シュヴァリエ(2007年製作の映画)

3.9

『ダージリン急行』の前日譚。画面がずっと美しいしベッド上での会話がエモい

ダージリン急行(2007年製作の映画)

4.2

狭い車内を自在に動くカメラワークや、美しい風景を活かしたショットなど、撮影がとにかく素晴らしい。父親という存在に支配される物語や水のモチーフは本作でも健在だった

スコピオ・ライジング(1964年製作の映画)

3.7

マチズモ全開のカルト映画。『ドライヴ』や『グッドフェローズ』への影響が凄そう

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

4.5

初ブレッソン。ポールシュレイダーが小津安二郎と並べて聖なる映画作家と称したのも納得の作品。基本的には主人公の知覚できる範囲のみを映したクローズアップの積み重ねで、画面外からの音によってもたらされる空間>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.4

良くも悪くも異常にテンポが早い。前作との繋げ方は上手いしキャラクターに愛着も湧いたので続編公開されたら観に行きたい

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.6

思ってた以上にB級版『恋はデジャヴ』で戸惑ったけどラストでちゃんと言及されてて安心した。脳死で楽しめる作品

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

-

かなり興味深かった。こんなの観たら映画館に行く頻度がまた上がってしまう

サイコ(1960年製作の映画)

4.4

想像の100倍面白かった。ラストが説明的すぎる気がしたけどそれ以外完璧

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

チャーリー・カウフマンがネトフリで商業性を無視して好き放題やってるだけあって、笑ってしまうほど難解で2回観ないと全然分からなかった。解釈が合ってるかは分からないけど個人的にはとても良かった

基本的に
>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.4

脚本・演技・撮影・音楽・編集全ての面において全く隙がない。ラストも感動した。ウェス・アンダーソン作品は子供みたいな大人と大人みたいな子供が擬似家族を形成する話が多い気がするけど、監督自身の人生経験と関>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

序盤の幽霊がよろめくシーンと長回し飛び降りシーンは天才。後半にかけてチープになっていったのが残念だった。どことなく伊藤潤二作品っぽい

2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.5

高速道路でマッドマックスみたいなことやってるシーンは面白かった。ここ最近のピクサーは伏線回収がかなりワンパターンになってる気がする

12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.8

ブラピとブルースウィリスの演技は良かった。『ラ・ジュテ』を下敷きにしてるだけあって話には既視感あったけど

透明人間(1933年製作の映画)

3.7

ストーリーは微妙だけど現代でも余裕で通用するレベルで撮影が凄い。どうやって撮ってるのか全然分からん

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.7

初黒沢清作品。今まで観た邦画の中でも最高レベルに面白かった。撮影と演技と演出が全編通して冴えまくってる。決定的な瞬間を長回しで捉えることによるリアリティと不穏さが半端じゃない。今まで心霊的な怖さと人の>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.5

現代コメディの1つの完成形を観てしまったんじゃないかと思うほど良かった。女子版『スーパーバッド童貞ウォーズ』のような設定でとにかく笑えるポイントが多く、脇役も全員魅力的で、最後はしっかり感動できる。本>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.3

1時間の作品とは思えないほど感動した。こういうハートフルな気持ちになれる映画定期的に観たい

透明人間(2019年製作の映画)

4.2

久々に本気のジャンル映画を映画館で観れただけで満足だった。基本的には透明人間が襲ってくるというワンアイデアなのに演出の素晴らしさやヒッチコック的展開のおかげで飽きる瞬間がない

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.1

説明的なセリフ多いけどそれでも話難しい。原作読みたい。主題歌を松本隆と細野晴臣で作ってるの初めて知った

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.2

頭の悪い吉良吉影の動向を90分見守る映画。撮影と編集がキレキレで最高だった。タンジェリンドリームの音楽も良い。ギャスパーノエやトリアーはもちろん、サフディ兄弟あたりも影響受けてそう。エンタメ要素が全く>>続きを読む