graceさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

私たちが生きる世界は、今も正義の名のもの虐殺が行われ、為政者がボタン一つで核を落とせる、人類壊滅の危機と常に隣り合わせであること。改めて思い知らされる3時間。

堅苦しい、誰もが結末を知る史実を、映画
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.5

情けは人のためならず、ディオールの美しいコレクションと共に前向きな物語は、日々を頑張ろうという気持ちにさせてくれる。夢のパリの道がめっちゃ汚いのが、よい。

あの夢の世界を作る人々はわたしたちと同じ市
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ディオールと私(2014年製作の映画)

3.6

一つのコレクションに密着し、ブランドの核であるオートクチュールのアトリエの職人たちが、デザイナーと共にどのようにあの夢の世界を作り上げているかを記録している。ラフシモンズのラブリーな世界、今もときめく

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.5

「誰も私をわかってくれない!」と言うわりに、他人をすぐ決めつける。10代ってそうだったし、20代の今は私ですら私がわかんなくなる一方だ。

ただこの映画のヒロインに共感できたかと言われたら私とは違うな
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

3.4

フレンチフィルムノワールの古典的名作。会話劇が中心で、悲哀すらさっぱりと描く、虚しさをも超越した余裕感がよい。ただ、若い女ばかり出るのは…時代としてうけとめる。

そしてなによりジャン・ギャバンかっけ
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

2.9

テーマソングと小道具が最高!but テンポと主人公の女好き描写があまり好みではなかった…

2023年のハロウィン映画はこちらをチョイス。

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

3.6

真珠の首飾りみたいに、眩い詩が連なる台詞たち。劇的な静の近景と、蠢く謝肉祭の遠景が素晴らしかった。フランス映画史に欠かせない名作、時間はかかったけど観れてよかった。ナチス占領下のフランスで作ったなんて>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

ぽっかりと空いた穴を埋めることができなくても、人間は笑うことができるということ。

喪失と可笑しさを抱えたウェスアンダーソンの宇宙はまだまだぐるぐると広がっていく!こんなにもスカヨハの魅力を引き出した
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ゲームの規則(1939年製作の映画)

4.1

戦前のフランス上流階級の最後の栄華を美しくシニカルにコミカルに、かの有名な印象派画家ルノワールの息子が監督として俳優として描く。衣装はココシャネル。

資本主義的不条理さと、貴族としての尊厳と。憤りと
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

バービーランドも現実世界も、結局は完璧じゃない。それでもこの地を裸足で踏み締めながら前に進むしかない。

むずかし〜〜〜

この映画は「解決」を描いてなくて、現状の社会課題をピンクのラメで示したという
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ファミレスで例えるとガスト。和洋中なんでもあるように、人それぞれ、ジブリに求めているものがとりあえずある。ただもっとそれを味わいたい!と思った頃に通り抜けてく感じ、分かる?

物語の骨子自体はよくある
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巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

3.5

私たちが想い描く「パリ」を描いた元祖の映画。ファムファタルとは言わないまでも小悪魔なヒロインを巡る3人の青年のすったもんだ、ほろ苦いコーヒーを飲んで見上げた巴里の空はモノクロでも澄み渡って見える。>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.1

なぜだか子供の頃の父との記憶は夏の景色ばかりで、アネッサの匂いとアイスと塩素の味が混ざっている。

あの頃の煌めく時間と、働き始めて知る父の苦労と、わたしたちが各々抱える問題と。大人になって、モノクロ
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.6

王家衛特有の湿度とそこに響く蝉の声。約1時間しっとりと、ねっとりと、「終わり」を見届ける。
他作品と比較しても直接的にエロティックな描写が多くて意外な一面に触れられた。ドレスのその先の柔肌に私も惚れ惚
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.3

レイモンドチャンドラーの小説を、アンナカヴァンの「氷」を実写化したような作品。セットも組まず、当時パリにあるもので撮影したディストピアSF。

「2001年〜」とかよりもずっと前にこんな脚本をしかもゴ
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.8

カラーで捲られるタロット占い、それが示すモノクロの人生の断片。

クレオという人のセンスの良さが伺えるお洒落な画と、シニカルな物語。そのギャップがよかったし、アニエスヴェルダの意志を感じた。覚悟した女
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.2

「最悪」って何?

日常は脈略なく不条理で、無意味ささえも包括しているもの。

音のセレクトが良かった。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.9

私も地中海を望む南仏へ駆け抜けたくなった…ーまた見つかった ー何がー永遠が ー海と溶け合う太陽が。

赤と青の原色、男と女、中身があるようでない会話がクロスする。

粗筋は67年公開の「俺たちに明日は
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

人生って結局は最悪と最高のごった煮なんだから、精一杯味わってやろう。上映中ずっと腹抱えて笑ってたけど、石のバースでは「きっと私のママもエブリンと同じ行動するな」って涙出てきちゃった。あなたが選んだウェ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.7

例えるならいにしえのディズニーシー水上ショー「ブラヴィッシーモ!」です。ポスターって普通盛ってるものだけど、これは「ママ」この画をみれる。画も強いし音も強い。ナートゥナートゥもいいけど、Etthara>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.4

「エンドゲーム」のその先。彼が守った世界。

誰かの喪失(それを悲しむ人もいれば喜ぶ人もいるリアリティ)と向き合いながらも、必要以上に暗くならないのがよかった。アイアンマン1からは考えられないほど思慮
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

大風呂敷、しっかり畳んだ〜!

の拍手の一方で。究極の公式アンソロ同人誌だなあと。このキャラクターたちの絡みをみたい!とかもし○○だったら…とか。これまでのストーリーを切り離して、とことん描きたい描写
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.3

トップガンやスーパーヒーローの物語を私たちは脇役ではなく主役の目線で楽しんでいい。それが母親であっても、勿論。

ヴィランの描き方も良いし、戦争とは善悪とは何かを分かりやすく説いてくる。2023年の今
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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

3.2

やっぱりアントマンが好き!
3バカもファミリーもみんな愛おしくてたまらない。SFの穏やかな景色も良い。インフィニティウォーの陰鬱な衝撃の後で、これ位の緩さとユーモアがあるとMCUがエンタメであることを
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

3.4

これまでの物語をオセロのようにひっくり返していく。

方法はともかく、サノスが言うことにも、社会が抱えている問題を濃く写していて確かに…と頷いてしまった。

そして地球の戦場がアメリカじゃなくてワカン
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.6

ワカンダフォーエバー!

アフリカンアクセントの英語が心地よい。そしてキング本人よりもオコエ様の格好よさとシュリの軽やかなスマートさに惚れ惚れ。

とにかくヴィランと一概にも呼べない敵の描き方がよかっ
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マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

3.3

identityをめぐる物語。星とは、国とは、王とは何か。定義をしっちゃかめっちゃかするロキという存在が光る。

徐々に風格を持ち始めるソーとストレンジとハルクという、成熟した二人のアホみたいな会話が
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.2

「ブックスマート」的青春白書。自負心とと羞恥心との間を右往左往していいて精一杯なピーターを「かわいい」と言ってしまうあたり、私はもう大人で少女ではないのだな…と自覚させられた。アベンジャーズの描かれ方>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

3.5

スターロードとヨンドゥ、ガモーラとネビュラ、そしてガーディアンズオブギャラクシーのみんな。血は繋がらなくてもたしかに家族と呼べるその関係性をGtOGらしく鮮やかに賑やかに軽やかに描いていて素晴らしかっ>>続きを読む

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

3.8

静かな部屋に響く食材を刻む音が響きスパイスが香る。美しくて哀しくて優しい、人生における選択というものを照らす一本。いつか訪れた湖の冷たさや深さを思い出すように、この映画のことを時々思い出す。

インド
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無垢の瞳(2022年製作の映画)

3.9

清貧に生きる修道会の寄宿学校へ、聖夜にやってきた罪と誘惑と愛に満ちた真っ赤なケーキ。さあ物語の教訓は何でしょう?もし教訓がそこに無かったとしても、私の思う以上に子供の瞳は無垢で真っ直ぐで美しかった。>>続きを読む

ホーカス ポーカス(1993年製作の映画)

3.4

2022年のハロウィンムービーはこのキッチュな一本に。舞台はアメリカ、魔女三姉妹はとびきり悪趣味でキュート。いつかサラジェシカパーカーの衣装を着てみたい。『ハイスクールミュージカル』の監督が手がけたの>>続きを読む

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.3

万華鏡を覗くような映像の無限の拡張は、他マーベル作品と比較しても圧倒的。

「いかにしてヒーローがヒーローとして目覚めたか」な物語、つまり1作品目ってやっぱり好きだ。個人的にはゴリゴリの理系だったのに
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.4

正義感、それは究極のエゴ。

「アベンジャーズ」よりもアベンジャーズしてるキャプテンアメリカ3部作のラスト。どう考えてもキャップが悪いが、「俺たち仲間だぜ…」みたくなかなか軽いノリでキャップの肩持つみ
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アントマン(2015年製作の映画)

3.5

バカ単純インターステラー(褒めてる)
今までのマーベル作品で指折り好き。
公開当時唯一気になったマーベル作品だったので、やっと辿り着けて嬉しい。

MCUのなかでも過去イチ軽い感じのノリと、アリサイズ
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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年製作の映画)

3.2

誰かを救う決心は、誰を救わないかをき決めることでもある。フェーズ1にらヒーロイズムへのピュアな信仰があるとしたら、フェーズ2にはその表裏描かれている。

まさかの、ジャーヴィス…!「アイアンマン」から
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